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どこか空気が痛くて、私は戸惑いがちに口を開いた。
そこでようやく手が離され、おずおずと顔を上げる。

「原田さん?」


視界の端にチラリとこちらを睨むように見つめる沖田さんが見えて、でもすぐに彼は視線を外して平助君に関節技をかける永倉さんに加勢をした。


「お前、平助と何があった」

「・・・・・・、」

どこか問い詰めるような硬い声に不安げに瞳を揺らした。


「・・首筋の痕、総司も気づいてやがる」

「・・っ!」


原田さんの言葉に、思わず私は手で首筋に触れる。
自分では見えない、首から背にかけて、平助君は幾度も口付けを落とした。
おそらく、紅く色づいてしまっているのだろう。

自分の頬に一気に熱が集まり、顔を上げることが出来ない。


「無理やり、だったとしたら・・俺は平助を許せねぇ」

「違っ・・・、・・・」


無理やり、なんて、そんなことはない。
私は、彼を拒絶できなかった。だから、平助君にとっては合意となんら違いはない。


「違うんです・・無理やりとか、そんなのじゃなくて・・」

「・・・・・」


声が震えて、上手く説明できなかった。
私のせいで平助君が原田さんや長倉さんたちと仲を違えることだけは避けたかった。


「ただ、平助君はまっすぐ自分の気持ちに向き合って、私も、拒みきれなくて、」

必死に平助君を庇う私の姿に原田さんは少し笑いながらぽんぽんと肩を叩いた。


「ま、あいつはお前が嫌がることはしねぇとは思ってる」

「・・はい、平助君はいつだって優しくしてくれます」


私の言葉に微かに微笑んで、でも原田さんは頭をガシガシと掻く。


「ただなぁ・・あいつはガキだからよ。がっつくととまんねぇだろうし」


「そこだけが心配っつーかよ、」とチラリと視線を平助君に向けて呟いた。
視線の先では床に倒れこんで二人から受ける関節技から逃れようともがく平助君がいて、


「も、無理だってー!マジで勘弁して!新八っつぁん!」

「いーや!まだまだ!」


バンバンと床を叩いて平助君は苦しげに表情を歪める。


「つか総司も一緒になってんじゃねーよ!このでかいのどかしてくれって!」

「えー・・・、見てる分には楽しいんだけど」

「おーれーは、楽しくねーし!」

「それに、千鶴ちゃんに、手・・出したでしょ?」


騒ぐ平助君の耳元に顔を近づけて沖田さんが何かを囁いた。
その途端に平助君は顔を真っ赤に染めて、目を見開く。


「・・・な、なな・・・、」

「首の痕、僕が気づいてないとでも思った?」

「っ・・・」


口をぱくぱくとさせて何かを叫ぼうとして、でも言葉が出ない、そんな感じだった。
少し距離があったため、平助君と沖田さんの会話はこちらまで届いてこない。
それでも原田さんは二人の会話に予想がついているのか少し眉を上げて苦笑いを浮かべていた。



「平助の奴、当分は総司にいじられるぜ」

「・・え?どうしてですか?」

「・・・奴の玩具に勝てに手を出したんだもんなぁ、仕方ねぇよ」

「玩具・・?」


私の問いかけには答えず、原田さんは面倒だと表情で語って、ようやく平助君を助けるべく動き出してくれた。



「新八、そんくらいで勘弁してやれって。平助のやつ、泡吹いちまうぞ」

「んー、仕方ねぇなっと!」


勢いをつけて永倉さんは平助君の上から退く。
今までギリギリと締められていた手足を床に投げ出して平助君が青い顔で「死ぬかと思った・・」と小さく呟いた。


「おーい、平助ぇ、大丈夫か?」

「大丈夫じゃないしー、つか新八っつぁんのせいだしー・・」


床に伸びたまま平助君は起き上がるのも当分無理!と突っ伏す。
それを見た永倉さんが「仕方ねぇ、平助は置いてくか、」と言ってさっさと部屋から出ようとする。
慌てて起き上がった平助君がその後を追う。


「んー、まぁ、そんじゃ俺らも帰るか」


原田さんが微かにため息を吐きつつ二人の後に続いた。
なんだか残された形の私は、ぼんやりと今まで自分が寝転んでいたはずの寝床に視線をやる。

荒らされたように皺がよって、急速に先ほどの行為が脳裏に甦る。
なんとなく、唇に力を入れて、少しだけ俯いた。

今更ながら、恥ずかしい・・。


「・・・千鶴ちゃん」

「っ・・・お、沖田、さん!?」


一人きりだと思っていたけれど、そういえばまだこの人がいたんだった。
慌てて顔を上げて平静を取り繕う。


「な、なんですか?・・あ、永倉さんたちを追わないと、置いていかれてしまいますよね!」

「・・・ねぇ、千鶴ちゃん」


急ぎ部屋を出ようとした私の腕を掴んで、沖田さんは声色を低くした。







@あとがき

恐怖の大魔王様は、どうやらお怒りでいらっしゃるご様子です・・。
でも、そんなに期待するほどの展開はございませんので、あしからず。

ようやく、一段落つきそうですねー・・。
中途半端な濡れ場ほど恥ずかしいものはない・・ってぐらい、微妙に更新するのを迷って書き直してしまおうかとも思いましたが、あそこまでいっててなんで最後までじゃないの!とか、そういうお叱りは来なかったのでよかったです・・(苦笑)

そういえば、千鶴ちゃんはNOTさらしだそうですよ!
公式でさらっと爆弾発言!!と、いろんな意味で衝撃でした。
でも、まー・・ヨネさんは貧乳好きだから、まぁ、そういうことなのかなー・・と。
個人的には、NOT貧乳NOT巨乳です。小さすぎとか、反対にでかすぎるとか、ダメです。あんまし受け付けない・・。Cくらいにほどほどにちょっと大きいとか、標準よりもややでかいとか、そのぐらいが好みです!!
って、私の好みはどうでもいいのですが、逢引日和で平助が千鶴ちゃんを剥いたときにさらしの表現を省いた背景にはこんな事実が!っていうネタばらしでしたー!!

あ・・、うちの千鶴ちゃんはCよりちょっと小さいぐらいで、まずまずなスタイル!とだけ、宣言させてください。

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無題
またまた、来ちゃいました♪( ´▽`)

私も、千鶴は、そんくらいがいい(笑
うん、普通が、1番いいですよね

というか、沖田さんが、登場した♪( ´θ`)ノ
もんのすごい嬉しい(^з^)-☆
たつき仔 2009/05/13(Wed)19:13:58 編集
こんばんわー
またまたいらっしゃいませv

あ、ちちの話ですか?
そうですよね、何事も普通が、とまでは言いませんがスタイルに関しては丁度いいっていうサイズがいいですよね~

沖田登場に喜んでいただけてなによりです。
彼は、他のキャラがメインであっても大抵どっかに出現しますよ!
千尋  【2009/05/14 19:24】
大魔王降臨、
満を持して。

…待ちきれなくて、また書き込みしました…。
左之さんが出てたから……読まずにはいられなかったのデス^^;

大魔王も登場したようですし…更に楽しみになってきましたvv

…貧乳の事実!!
アレには驚かされましたが…どうしよう…作る予定の本は貧乳じゃないんだよなー…なんて、ちょっとショックを受けてみたり><

では、また来ます!!

妄想爆発させに(笑

遠村 笑 URL 2009/05/13(Wed)20:36:40 編集
満を持して笑さんが降臨なさいました!!
こーんばーんはー!!(*>◇<)ノ

大魔王様降臨なさいましたー!!
って、たいした展開用意できず申し訳ないです・・。

あまりに平助だらけで、沖田や左之さんが恋しい毎日です・・
いやいや、でも、焦らしプレイ的な・・ね、そんな感じです(笑)


乳の一件は、ほんとびっくりしました!
でも、気にしなくても大丈夫ですよ!笑さんはガッツリぼいーんな千鶴ちゃんで頑張ってください!!そして、左之さん喜ばせてください!!(^∀^)b
千尋  【2009/05/14 19:32】
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