確認もなしに平助が彼女の部屋の襖を豪快に開け放った直後、俺たち二人の最初の反応は安堵だった。
ざっと見た限りでは部屋の中には熟睡している雪村しか確認できなかったし、総司が部屋に押し入った様子もないようだった。ここでまずはホッと息をつく。しかし、束の間の安堵のため息もすぐさま平助の焦ったような声でようやく自分も現場の違和感に気づく。
「一君・・千鶴が・・、」
「平助、どうし・・・、」
室内の様子を窺っていた視線をゆっくりと下に下ろし、安らかな寝息を立てているであろう彼女に向ける。
「っ・・・、」
そうして、目にした光景に俺は自身でも驚くほど緊張が走った自分自身に、内心驚いた。
ここ数日、この季節にしては確かに気温の変化が著しく以前のように防寒に徹さなくてはならぬほどの寒さはない。普段通りに厚掛けして寝苦しく剥いでしまった、といえば理由としては最もで、特別に問題があるわけじゃない。
と、硬い言葉で自分自身を律して、彼女に目を向けぬようにそっと立ち位置をずらす。
「えっとさ、起こしてやったほうが、いいよな・・」
「あぁ、そのためにここまできたんだ。」
冷静な声で自分を何とか偽り、面倒なことになった、なんて言葉で誤魔化し続けながらそっと室内に身体を滑り込ませる。ぎこちない動きなのは平助も同じなようで、二人して数歩の距離がとてつもなく大きなものに感じてしまっているのかもしれない。
「ち、千鶴って結構寝相悪いんだなー・・」
「あぁ、そうだな。」
少し語尾を震わせながらも平助は平然としている自分を演じようと、普段のような笑顔を無理やり顔に貼り付けている。
「ち、千鶴・・起きろよ。」
「・・・・・ん、」
手を伸ばし、しかし彼女が少し身じろいだことによってその手は宙に浮いたまま固まる。
ごくり、と生唾を飲む音が聞こえ何度目かの深呼吸をして再度平助は彼女の肩に手をやった。
「千鶴、ほら、朝だって・・な、なぁ、」
肌蹴た夜着は肩を随分と露出してしまっていて、平助は無意識にか肩よりもやや下の腕を何度か揺すぶり起こそうとする。しかし、そのせいで余計に着崩れが進んでしまっていることになど今のアイツに気遣う余裕はない。
「千鶴ー・・マジで起きてくれって、頼むからさー。」
「・・・ん、平助・・くん・・・?」
ふぃっと顎を少し上に上げて雪村はうっすらと瞼を開いた。
そうして視点の合わぬ空ろな瞳が何度か平助やら天井やらを行き来して、そうして、ふにゃりと笑った。
「平助君・・・・、」
「っ・・千鶴・・、」
きゅ、と平助の腰布あたりを小さな手で掴み、そのまま再び瞳を閉じる。
「・・・・・・・・。」
息が詰まったかのようなどこか必死な顔の平助に、どう声をかけてやればいいのかわからず俺は暫しその背を見守った。
「一君・・、これ、ヤバいよね・・」
「・・・・・・・。」
どこか独り言のような呟き。
それは返事を求めているものではないような気がした。
「ちょっと、俺、マジできたかもしんない。」
「・・・平助。」
「千鶴、めちゃくちゃ可愛い・・・。可愛くて、すっげーたまんない・・」
左の掌で口元を覆いながら、平助はじっと雪村を見つめた。
そうして耳まで赤くなっていた顔が次第に静かに落ち着きを見せ、
「・・俺、やっぱり、千鶴が好きで好きでたまんないかもしんない。」
穏やかに目を細めて、それから自分の腰布を掴んでいた彼女の手をそっと引き剥がして代わりに自らの手と絡める。
「誰にも、渡したくないんだ・・」
「・・・・・・。」
しゃがみこんだままの平助に合わせるように俺も腰を折る。
そうして、どこか穏やかに彼女の寝顔を眺める。
起きているときの、ころころと変わる表情も彼女の特徴で利点だとは思うが、こうして無防備に寝ている彼女もまた、穏やかな表情を垣間見ることが出来て、こちらまで気持ちが和むような気がする。
「・・・・平助、くん・・?」
「千鶴、起きたのか?」
「・・・斉藤さんも、」
「あぁ、お前が寝過ごしているようだったのでな。声をかけに来た。」
「・・・・・・・おはよう、ございます。」
ぼんやりと目を開けたまま、俺と平助を見遣って、再びふにゃりと緩みきった笑顔を見せた。
それからまたしても先ほどのように落ちていきそうになっている意識を俺たちは慌てて浮上させる。
「ち、千鶴!寝んな!ダメだって!!」
「ん、・・・・・・、んぅ・・」
「ッ・・・、なんつーか・・マジでたのむから!!」
むにゃむにゃと何か呟いているのだろう、しかしそれは言葉とは成ってくれず俺たちの耳には届かない。
平助が切羽詰ったように少々乱雑に彼女の肩を掴んで揺らすものだから、緩みかけた腰紐がしゅるりと解けていく。
「平助、少し落ち着け。」
「でもさ、千鶴起きそうだったし、今起きてくんないと俺、マジで困るんだって!」
それは、巡察に遅刻してしまう、などという理由ではないだろうな。
明らかに焦ったように緊張に頬を引きつらせながらも、平助の手は腰紐を押さえてこれ以上彼女の夜着が乱れぬようにと必死だ。揺り動かすことをやめれば整えてやれるというのに、そこまで気遣う余裕もないという感じで幾度も呼びかけている。
「千鶴、ほら・・、えっと、起きねぇと総司が来るぞ!鬼の副長が来るぞ!えっと、助平の新八っつぁんが「誰が助平だ、平助!!!」
「っ・・、え・・?」
@あとがき
色っぽい展開を期待していた方、申し訳ございません。。
平助君はとにかく可愛くしたくてしょうがないんです!!ピュアボーイがいいんです!!(願望)
一途で、純粋で、チキンでもヘタレでもいいから、とにかく千鶴が大好きでもう、ぎゅーってしたい!って平助君が書きたいんです!!・・・いつか、彼にも色っぽい展開を用意してあげたいのですが・・いつになることやら。。(´v`;)
一君が動揺していないように見えて一番動揺しているんじゃないかなぁ、と思います。
彼の場合、平気なときはもっと淡々としていそうですよね。こんなに二人して、どうする?どうする?って・・(笑)ペアを組ませてみて思ったのですが・・意外と私の中で、平助、一君、新八はピュア同盟組んでる感じがします(*´∀`*)
そういえば、UTMがPS2に移植決定!だ、そうですよ!!
しかも、新規CGも70枚以上と言うボリューム!!もうこれは、きゃっほーっと叫ぶしかない状況ですよね!
レニやセイジュの純愛、愛憎ルートがどう変わるのか、すっごく楽しみです!!
でも、あれって結構えっちシーン激しいのに移植なんかしたらかなりの大幅カットじゃないかなぁ・・、と少し不安です。えっちなくしてセイジュは語れないと思うわけですが・・(笑)
遊佐さんのセクシーボイスがね、カットされたらね、悲しいわけですよ・・。でも、まぁ、とにかく楽しみでありまする!!
もう、ぎゅぅぅぅぅぅぅ…ってしたくなるくらい、ピュアだよ!!
千鶴ちゃんの着崩れた夜着はそれほどでなくても、「千鶴」というだけで平助くんも一くんも動揺しまくりですね。そういう姿に慣れてそうでも、「千鶴」というだけでいろんな妄想が飛びそうですねvvv
「千鶴、めちゃくちゃ可愛い・・・。可愛くて、すっげーたまんない・・」
なんて…もう、平助くん素直すぎて私が照れてしまう///
一くんの「平助、少し落ち着け。」というのは、自分にも言い聞かせていたりするのかしら…なんて思ったり。
私も一くんと平助くんと新八さんはピュア同盟結んでて欲しいです(笑
きっとその3人のピュアさを目の当たりにしたら、周りにいる人たちも巻き込みそう(笑
既に私が巻き込まれてる(苦笑
暴走バージョン!!いつupされてもいいようにティッシュは常にそばにあります(笑
強烈なエロを求めているわけではなく、多分…upされたことにまず興奮して鼻血でそうな気がしてならないので…エヘヘ
週明け(以降)からチェックを怠らないようにし
ます!!
こんな筋肉痛が治ったか治らないかの今、息子とボウリングをしてきました。
はい、筋肉痛になると思われます(笑
久々に3ゲーム投げてきたので…。
ノドがイガイガし始めてるので、大事を取って早めに帰ってきたんですけどね…。私以外の家族がゲホゲホし始めてるので、自分が巻き込まれるのも時間の問題かな~なんて。
体力落ちてる今なら「菌」や「ウィルス」につけこまれそうですしねー…。
ゼミ展、木のおもちゃがあるんですねー^^
木のおもちゃは憧れですv木のおもちゃって「積み木」くらいしかないので、なかなか触れる機会が無いんですよね。
どういった内容なのか本当に気になりますv今までそういったおもちゃの「○○展」というのには、行ったことが無いのでワクワクしてます。
子供、夢中になりすぎて「帰らない」とかいいそうですよ(笑
では、またお邪魔させていただきますvvv
実は・・最初は、平助君が勢い余って迫っちゃう!的な設定で執筆していたのですが・・いつのまにか、あんなにピュアな少年になっておりました(笑)千鶴が好きで好きで好きすぎてどうしようもない!!っていう平助君ですが、今後ともよろしくお願いします!(*´v`*)
ピュア同盟、いつのまにか本当に作ってたらさりげなくスルーしていただきたい。完璧な自己満足の産物なので(苦笑)
暴走バージョンは・・、はい、エロ度はどうでしょう・・他のサイト様は沖田、原田、斉藤って順で年齢制限ものが多いですよね。濃度は結構個人差ありますよねー。私は・・、意外とどちらもいける派なんですが・・。あんまり激しいと千鶴ちゃんが可哀想なので・・ほどほどに・・・しようかなーなんて。
ボウリングお疲れ様です!!
いーなー!ボウリングなんてここ数年出向いておりません(><)
上の子と一緒にってことは7歳児、ですよね。元気いっぱいな年ですねー・・私は、多分、2ゲームくらいでスタミナが切れそうです(苦笑)
気温の低下と共に乾燥し始めてきましたので、手洗いうがいはしっかり!ですよ!!
最近の子供のおもちゃって、プラスチック製品がメインですよね。昔ながらの少し値段が高くて、でも親子二代に渡って使える温もり溢れる木のおもちゃ!が、ゼミのテーマともいえるので、工芸工房で日夜巨大ベルトサンダーで木、削ってます!!(>∀<)
原宿の「ゆーといぴあhttp://www.utoypia.co.jp/」や「ボーネルンドhttp://www.bornelund.co.jp/」など、木のおもちゃって雑貨として見ても可愛いですよね!少しでも興味を持っていただけたら・・って、あれ、なんか宣伝っぽくなっちゃってすみません(^ー^;)
あ、昨日メイトに寄りましたらイマジンカレンダー店頭で販売してましたよ!!A4くらいのサイズで可愛かったですっ!!