「っ・・、あの、やめてください・・」
と、そこで焦ったような千鶴の声が耳に届いて俺は思わず手に持ってたお猪口を床に転がした。
「ごめん、でも、ちょっと二人で話がしたいだけなんだ・・少しでいいから散歩とか、ね、」
「あの・・「菊池、いい加減にその手離さねぇとたたっ斬るぞ。」
ゆったりとした酒の席で、強張ったような新八の低い声が響いて、場はシンと静まる。
男のどこか荒く切羽詰ったような物言いに、怯えたように身を引こうとしていた千鶴は縋るようにこちらを振り返る。そうして、止めに入ってくれた人物を見遣り安堵の息を吐き出して肩の力を抜いた。
「永倉さん・・、」
「離すのか、離さねぇのか、どっちだ?」
「・・っ、は、はい、申し訳ありません!!」
新八がその場から立ち上がりもせず、片膝立てて刀に手をかければ男は焦ったように千鶴から手を離して後ずさる。チラリと新八を見遣れば、部下の行動を諌める上司っつーよりは自分のものに手を出されてカッとなってるただの男の顔、してやがる。
「新八、そいつはいつもは俺の役目でお前が俺を諌める役だろうが。」
「うるせぇよ、お前こそ、もっと早くにぶん殴りに行くんじゃねぇかと思ってたけどな。」
新八のニヤついた視線を受け流して、俺は壁際までずりずりと下がっちまってる菊池に声色を限りなく低くして告げる。
「菊池、あの子はどうみたって新人だろうが。男ならがっつくんじゃねぇ。」
「は、はい、すみません・・原田組長・・!」
「おっと、殴らねぇのか。千鶴ちゃんの手前、お前にしちゃ我慢してんのかね。」
平助が千鶴に駆け寄っていくのを見送って安心したように息を吐き出した新八はようやく初めて酒を上手そうに一口呷る。
「・・あいつは十番組のやつだったからな。悪いが、他の組の奴だったら容赦なく斬り捨てちまってたかもしんねぇ。」
「・・・・我慢したってことか。」
抑えちまっても我慢しきれねぇ震えが、せめて、千鶴には見つからないようにと、拳を握り締める。
その様子を見た新八に呆れた顔されたってかまわねぇ。
ただ、新選組のために何か役に立ちてぇって常日頃から言ってるあいつにとっちゃ囮だろうと精一杯仕事してぇはずだ。だから、あいつが助けを求めてくるまでせめて見守ってやろう、と必死で押さえ込んできた。新八が助け舟出さなきゃ、俺はあの男を斬り伏せていたかもしんねぇ。
「・・新八、」
「あん?」
「すまねぇな。」
「・・・気にすんな。」
「千鶴、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。ありがとう平助くん。」
「・・・・・。」
「平助、くん・・?」
少しばかり俯いて何かに耐えるように唇を噛み締める姿に、私はこのまま声をかけていいのか少し躊躇してしまう。見世に、様子を見に来た!と言って顔を見せに来てくれたときから何かにかけて彼はこちらを気遣ってくれて、それがすごく嬉しくて、反面、あぁ、私はまた平助君たちに頼りきってしまう。と、自分の中で落ち込んでしまったのも事実だった。
「なぁ、千鶴。」
「うん、」
「何も、されてないよな?」
「え、あ、うん。大丈夫。お酒を注いでいただけだし、」
俯き加減なのは相変わらずだったけど、彼の手は私の着物の裾を握り締めて離さない。
もう、どこにも行かないで俺のとこに居てよ。思わずそんな声が聞こえてしまいそうになるほどどこか可愛い仕草に微笑んで、そうして、ようやく私は、自分の肩に力が入りすぎていたのだと知る。
だって、嬉しくて。頼ってしまう自分が情けないけれど、やっぱり心配してもらって、見守ってもらえて、元気が出るから、受け取らずにはいられない。
「なに笑ってんだよ。」
「なんでもないよ。うん、ありがとう、平助君。」
「別に、俺なにもしてないし。助けたの新八っつぁんだし、あいつ諌めたの左之さんだし。」
「うん、そうだね。永倉さんにも原田さんにもすごく感謝してる。でも、すぐに駆けつけてくれた平助くんにも、ありがとうがやっぱり言いたくて。」
バっと勢いよく上がった顔は、いつもの大きな目をパチパチとさせていて、そうしてどこか照れくさそうに笑った。
「そかそか、うん、どういたしまして!」
お日様のような顔で微笑むから、私はやっぱり頑張ろうって改めて思ってしまう。
「平助においしいところもっていかれたな。」
「・・まぁ、平助のやつ、菊池が千鶴に酌してもらい始めたときから不機嫌そうにしてただろ、あいつなりに我慢してたんだ。これくらいは大目に見てやろうぜ。」
「かー、甘ぇよ、お前はよ。」
「そうでもねぇよ。」
徳利逆さにして酒を呷り始めた新八は、それでも随分と上手そうに酒を飲む。
さっきまでと同じ酒だっつーのに、こうも味が変わっちまうものなのか。まぁ、気持ちはわからねぇでもねぇけどな。
@あとがき
まだ囮捜査らしいことを何もしてないのですが・・とりあえず千鶴ちゃんは無事、救出いたしました!!
左之さんが殴りかかる!かと思いきや、新八が先にプッツンいってしまったようです。もう、みんな千鶴ちゃん大好きで困ったものです。女のために部下を斬り殺しちゃぁ、いかんと思いますよ!!せめて・・・、えぇと、一発拳で、ってくらいなら・・(それもまずいかなぁ・・)
そういえば、来年のカレンダーをそろそろ買わないと、と思って昨日メイトに寄って購入してきました。毎年、ナルトのカレンダーは必ず買っているのですが(横長タイプで飾りやすく、ポスターとしても見栄えがいいし、なにより毎年恒例なので)今年は他にあまつきのカレンダーも追加で買ってきましたー。
原作のカラーが淡くて綺麗なので、カレンダーとしてってよりは本当にポスターって意味で手が出てました(^v^;)カレンダーって可愛くていっぱい欲しくなっちゃいますよねー。あとはミニチュアダックスの毎年買っているわんこシリーズのカレンダーも書店に寄って買いました。
で、妹は必ず銀魂の周めくりカレンダーを買うんです。あとはブリーチとかリボーンとか。我が家がジャンプカレンダーで埋め尽くされていくのが困るんですが。。。ほんと、買うのはいいけど飾るのは一人一個にしよう!って今年の家族会議の議題に出そうと思います!!(`へ´)>
緋色とか薄桜鬼のカレンダー売ってたら2,3個は買うのになぁ・・・・。
会員の一人にしてもらいたいですから(笑
囮捜査読みました。
今回新八さんにきゅんきゅんときめきましたv
きっと射るような眼だったんでしょうね…
もちろん、薄桜鬼のキャラ全員好きだけど、自分の中では順位が付いてるんですよね。でも、ここで色々作品を読んでいると…順位が入れ替わるんですよ。
左之さんは…変わらないけど、沖田くんと一くんと平助くんと新八さん…かなりいい勝負です(笑
今回の新八さん私の中では男でしたので、一気に2位くらいまできました><手を出さず、眼だけで、声だけで…ていうの、堪らなくツボです。
私結構ツボが多いのかな…。でも新八さん、ラーーーーブvvv
千鶴ちゃんの「永倉さんにも原田さんにもすごく感謝してる。でも、すぐに駆けつけてくれた平助くんにも、ありがとう」が好きです。
こんなこと言われたら、平助くんじゃなくても、本当に好きになっちゃうって…。平助くんの「どういたしまして」っていうのも彼らしいですよね。
続き楽しみにしてます~~~~^^
電王のカレンダー売ってましたか!!買わねば!!!実は幼稚園のママさんと横浜に行く予定があるんですけど、流石にその日に皆を引き連れてメイトに行くわけにも行かないので、いつ行こうかとカレンダーとにらめっこです(笑
早めに行かないと無くなりそうで…><
薄桜鬼のグッズも見たいし…。来週行っちゃおうかな…うん。
左之暴走は、エロ度はそれほど…でもなくていいんです…いや、エロくてもいいんだけど…雰囲気というかそっちが大事だと思うんで。
遊佐さんの声に置き換えてみたりとか(笑
私あまりエロ度の高い作品には出会ってないのですよ。ただ、雰囲気がエロい作品にはいくつか出会いまして。
だからエロ最強は沖田くんでいいかなって(笑
ボーネルンド!今年2回行ったかな。
楽しいですよねー。上の子がスイミングで上の級に上がったらボーネルンドに行くことになってて^^年内はもう無理かもしれないけど、本人は
一生懸命ですよー。一度連れて行ったら
「どこ行きたい?」
「ボーネルンド」
という会話がしばらく…数ヶ月続きましたしね。
木のおもちゃは高いけど本当に温かいので、子供が遊ぶのには最適なんですよねv
あそこに行ったら何時間でも遊ぶので…親は大変ですね(苦笑
体力が持ちません…。
何か大掛かりな感じで製作されてるようですね!
当日が楽しみです~~^^
ではでは。
またお邪魔しますーvv
本日もご訪問、ほんとーーーにありがとうございます!!
囮捜査閲覧ありがとうございます!!
いっつも左之さんがいいとこどりなので、新八っつぁんに見せ場を作ろう!と考えてああなりました(*´∀`*)
あ、順位のお話、気持ち分かります!!やっぱり薄桜鬼って本当にどのキャラクターも格好よくて、でも自分の中ではほんの僅差でも少しずつ順位がありますよね。私も素敵なお話に出会えると好感度がUPしてついつい順位が入れ替わってたりします(^v^;)
このサイトでは基本的に左之さん贔屓なところはありますが、基本、逆ハーなので、どこでどんでん返しがくるか分かりませんよ?もしかしたら新八が一位を獲得してるやも!!(^□^)
それにしても、平助君と千鶴ちゃんが付き合いだしたばかりの中学生みたいになってる気がします・・(苦笑)
幼稚園のママさんたちとメイトは・・ちょっと、無理そうですね(^^;)
川崎では薄桜鬼はマウスパッドも湯のみもすでに完売で入荷待ちっていう事態でしたー;なんていう人気なんだ!?とビックリです。横浜は大きいからまだきっと残ってらっしゃると思いますが・・電話すると取置いてもらえますよ!行く日が決まったら電話をしてみるのもよいかも!です(><)
って、左之さんの暴走話が今度はエロ度の濃さのお話にどんどん変わっていくのがなんとなく面白いです・・(^v^)そうですね、あんまり千鶴に喘がすだけとか表現激しくすれば濃いってわけじゃないですよね。雰囲気が大事だと、私も思います。って、真面目に何を言っているんでしょう・・(//へ//)エロ最強は沖田君・・・確かに・・・。
ボーネルンドはご存知だったのですね!!
ゼミでの作品資料として何度か見に行かせていただいたのですが・・普通にはしゃいじゃいました~。面白いですよね!!遊ぶ場所・・と言えば新宿の近くに「東京おもちゃ美術館」っていうのがあるんですよ。廃校になった小学校を改築しておもちゃの美術館にしてるんです。おもちゃで遊んだり展示を見たり、手作り工房で子供と一緒に作ったり、いろいろ出来るみたいです。
私はどこに言っても2,3歳児と同レベルな感じで遊んでました(笑)
是非、スイミングで上の級に上がったらいろいろ連れて行ってあげてくださいませ!きっと喜んでくれますよ!!(*^□^*)