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期間限定。薄桜鬼小説ブログ。
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ちらほらと準備に走ってる連中を一瞥して、それから目的の場所まで走る。
しかしたどり着いた先には先客がいた。



そいつは佇む、というよりは見せ物を見物するように楽しげに口端を吊り上げてその現場を眺めていた。

「・・・あんたさ、あの子の知り合い?」

「ん?」

ゆったりとした動作で振り返るそいつは私の気配に気づいていたんだろうけど、わざとらしく声をかけられてから反応を返してきた。なんとなく、こういうタイプはタチが悪そうだな、と思いながらも数メートル先の彼女の状況の方が最優先事項だ。


「ま、いいや。悪いけどあんたが見物してる揉め事の当事者たちに用があるんだ。そこ、どいてくれるか。」


「君は千鶴ちゃんの友達?」

「ん?・・ああ。けど、質問に質問で返すなよ。」

彼が立つ位置は彼女たちからは四角になっているため、こちらとしても状況が分かりづらい。
さっさと横を通り抜けようとすればそれを遮るように奴は私を引き止める。


「知り合い?って問われて彼女の名前を出した時点で答えになってるでしょ。」

「・・・。」


性格悪、なんて小さく呟けば奴は聞こえたのだろう、一瞬眉をピクリと動かした。
しかし、にっこりと深い笑みを返してきた。先ほどの質問に対しての返答といい、こういった場面を楽しそうに見物していることといい、本当に病んでるよなー、なんて思いながら無視して今度こそ彼女たちの下へ駆けつけようと一歩踏み出す。

と、次の瞬間、



「・・・あんたさ、聞いてんの!?」


ヒステリーな叫び声が耳に届いて一気に目の前の性格の悪そうな男のことなんか思考から追いやる。

「総司くんや斎藤くんは同じ学年のうちらだって容易く声かけできないっつってんじゃん。
もうさ、アンタみたいに新入生ですって甘える奴多すぎなんだよね、ウッザいんだけどー。」

「え、と、でも・・」

「でもでもうるせぇよ。さっきから煮え切らない答え方ばっかだね、あんた。」


3,4人の明らかに上級生と見られる女子生徒に囲まれるようにして一人の少女が自身のスカートの裾をぎゅっと握り締めながら必死に言葉を紡ごうとしていた。

やはり、どうやら私の勘ってやつは当たってしまったらしい。



「取りあえず近寄りませんって言っとけば無事に話し合いで解決出来るってんじゃん。」

「でも、斎藤さんたちは私の・・、」

「私の、って・・なに?あんたみたいなブスが話しかけていい人たちじゃなんだよ。」


あまりの言い草に思わず、間に割って入って相手の女を殴り倒してしまいたくなるのをグッと耐える。
こういう場面での責め文句ってーのは大抵どいつも同じらしい。



「女の子ってさ、男よりも結構醜い生き物だよね。」

横の男は相変わらず視線は現場に向いていて、独り言なのか私に対して会話を要求しているのか分からない。


「千鶴ちゃんの知り合い、なんだよな?あんた。」

「うん、そうだけど。」

相変わらず現場を楽しそうに遠目で見物する男は飄々と言ってのける。
…あの女々しい女どもと台詞が似通っちまうのはこの際、気にしない。


「お前、彼女に今後近寄んな。
友人でもなんでもないかもしんないけど、女一人、明らかに理不尽に責め立てられてる状況で楽しそうに見物してる男はあの子に近づく権利さえねぇよ。」

「・・・・・。」

言いたいことだけさっさと言い投げて奴に背を向けて彼女の下に走る。
これ以上奴に掴みかかってる暇なんてねぇし、早く彼女を助け出してやりたい。








「ちゃんとルールに従いなさいよ。話しかけるときは私たちの会員の誰かを同行させること。これが絶対的なルールだから。」

「それは・・絶対に従わなくちゃいけないことですか?」

「は?だからそう言ってんじゃん。」

「でも、」

「・・いい加減、でもでもマジでうざいんだけど、」


一歩彼女に間合いを詰めて掴みかかろうとする上級生に対して、彼女はただ甘んじて受けるが如く身を硬くした。

ぎゅっと唇を噛み締める千鶴ちゃんの肩に優しく手を置く。
すぐさまビクリと肩を震わせた彼女は勢いよくこちらを振り返る。



「は、る、ちゃん・・?」

「・・・遅くなった。ごめんな。」

優しく微笑んでやれば、彼女は控えめに微笑み返してくれる。



「あれ、先輩方。」

「は、春くん・・?」

「こんなとこでなーに新入生イジメてんスか?」

「イジメてなんか・・」


明らかに見知った面がある。
そういや、クラスのファンクラブっつー女子とよくつるんでる連中な、気がする。

彼女らは第三者の登場に明らかに顔色を変えた。
自分たちが何をしていたのか、を良く分かっている反応だ。


「西棟の斎藤、沖田に話しかけるときは常に二人以上でって、意図がまるわかりでダサく見えるよ。せっかく可愛い顔してんのにえげつないことしないでよ、先輩方。」

「は、春くんには関係ないでしょ!!」

「ま、確かに。沖田なんとかって奴らなんかどうでもいい。
可愛い先輩方が熱をあげてるのは正直気に入らないけどさ、それでも好きで好きでしょうがないっつーなら独占欲も嫉妬も見守ってあげられるさ。たださ、彼女、俺のだーいじな子なんだ。手ぇ出すってのは勘弁してよ。」

「あら、春くんの友達?別に私たちその子をイジメてってわけじゃないわ。彼らとの接点を絶ってくれれば、」




「それは、誰が望んでいること?」







@あとがき

あ、れ・・?ほとんど、春ちゃんしか出てこない・・?(@д@;)

いやいや、そんなことないですからね!このあとバーンとあの人が登場!!っていうほど、格好よく登場はしてくれないだろうけれど・・。なんとなく、空気読めない感じで普通に間に割って入ってくるんだと思いますよ。

今、大学の大学院の方のパソ室にコッソリ忍び込んで更新しております(苦笑)
通常のパソコンルームは落ち着かないし、デザイン作業専用なので、こういうことができないので(´v`;)
ま、まぁ・・息抜きってことで現実逃避中だったので・・そろそろ工房に戻ります・・。
今日は夕方~夜ぐらいにもう一回更新できるかと・・思います!!(*^v^*)日曜日くらいにはお兄ちゃん紹介編は完結させて拍手にアップしたい、です。。

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こんばんは☆☆
あわわわっ;危うく日付超えるところだった(汗)
やっぱりここに来て書き込まないと一日が終わらないっ


きゃーっ今回は女の子の見られたくない、見たくない部分がドーンと出てますね。
とてもとても怖い部分です。
そんななか、春ちゃんがいてくれてよかった…。女の子が女の子を護るなんて格好良すぎっっ><その前に男の子との会話。
他人を「君」と読んだり千鶴ちゃんを「千鶴ちゃん」と呼び、言葉遣いからして…もしかして…///

そして彼女たちと千鶴の前に立つ春ちゃん。上級生にもFANクラブなるものがあったか///。すごいなー。春ちゃん登場に先輩達は慌てているようだし…。
最後の「それは、誰が望んでいること?」…早く続きが読みたい…
あ、そろそろ拍手の方での連載になるんですねv
コメントはもちろん書かせていただきますのでーーーv

左之さんが千鶴にムラムラしているのを妄想して、笑さんが興奮してる、とありましたがその通りです(笑
バレバレですよね(苦笑

あー…日付超えてしまった…。

またお邪魔しますっ

今回はいつにも増して支離滅裂なことばかり書いているかもしれません…すいません(汗

遠村 笑 URL 2008/11/30(Sun)00:11:35 編集
いらっしゃいませー
こんばんわ!!!

え、そんな日課みたいな感覚なんですか?(*´へ`*)交換日記だと信じてるのに!!

って、調子に乗ってすみません・・。


もう、シリーズ序盤から結構痛い感じで申し訳ない!!
でもでも、次のタイトルから逆ハーなノリで糖分たっぷり詰め込んでいきますから!!大丈夫ですよ!!(´∀`)
女の子が女の子を護るって構図、実はすっごく好きなんです(//v//)憧れますよねー。

春ちゃんは上級生のお姉さま方にも人気なんですよ!彼女が一人称を私、と言うのは千鶴ちゃんなど親しい間柄の友人のみで、男の子っぽく接するときは俺、って言うんです。私もこんな女の子に口説かれてみたいなぁ・・なんて、思いながら暴走に走ってます(笑

拍手での連載はお兄ちゃんを紹介します、がブログで掲載し終わったらになります!拍手で、せめてものお礼を、と思って考えたお話が結構大きなシリーズになってしまいそうで・・(^^;)本連載の方が追いつかなくなってしまいそうです・・・。


あ、やっぱり(*´v`*)左之さんが千鶴にムラムラしてるのを妄想して、笑さんもムラムラ・・いやいや、ドキドキなさっていたんですね!!山場を越えましたら頑張りますねー!!
千尋  【2008/11/30 22:28】
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