【私のお兄ちゃんを紹介します－４】

「ま、確かに。沖田なんとかって奴らなんかどうでもいい。
可愛い先輩方が熱をあげてるのは正直気に入らないけどさ、それでも好きで好きでしょうがないっつーなら独占欲も嫉妬も見守ってあげられるさ。たださ、彼女、俺のだーいじな子なんだ。手ぇ出すってのは勘弁してよ。」

「あら、春くんの友達？別に私たちその子をイジメてってわけじゃないわ。彼らとの接点を絶ってくれれば、」

「それは、誰が望んでいること？」






「え・・？」

「その、話しかける人間を篩いにかけるって感じのやり方はさ、当人たちが望んでんの？群がってくる女がウザったいから、先輩方に頼んできたんだ？」

「・・・、そういう、わけじゃないけど・・」



「・・・はぁ、」

額を軽く抑える。頭痛くなりそうだ。

なんともいい難いが･･漫画やドラマの中だけであってほしい場面だな、正直さ。
だけど、もしかしたら漫画の中だけの方がマシなのかもしれない。現実問題、こうした裏庭に呼び出して集団暴行事件が増えている。物騒な時代になったものだよなぁ、

一人の女性徒を数人で囲うようにして何かを強いるように怒鳴りつける、なんて真似はさ、どう見たって１対複数では、１人である側が被害者だ。詳しく聞いてみたら原因なりなにかあるのかもしれないが、この状況は複数の団体様が正義を主張するには些か無理がある。

まぁ、それ以前に相手側の主張を勝手に盗み聞きしていたこちらとしては、原因なり言い分をどんなに説明されても納得は出来ねぇけどさ。



「あー、なんだっけ・・沖田、斎藤、藤堂、あとは大学の２人組と土方先生、それだけ？」

「え・・？」

「話しかけるためにルールが必要だっていうご立派な身分な男は、」

「・・・・っ、」



「実際さ、誰が誰に話しかけるのに身分不相応なんてのはないだろ。相手の男が随分と祭り上げられてるみたいだけど、」


ガンと力任せに腕を振り上げて壁に叩きつける。
外壁がぱらぱらと崩れて鈍った音は響き、じんわりと腕に衝撃が伝わる。


「っ・・、は、るくん・・」



「彼女が下の立場っぽく見られるのは我慢できないんだわ。
前に言ったことあるよね先輩、俺さ、女の子はすっげー可愛いいきもんだって思ってるから、可愛いままでいてくれって。」

「・・・・・っ」

「これ以上、自己の身勝手な理由で他人にルールとか強いてんじゃねぇよ！」


「っ、わ・・・私たちは、」





「ねぇ、そういうのってきりがなくない？」

「・・・・お前、」

「そ、総司くん・・！?」


新たな介入者の出現に先輩たちはサッと、先ほどよりも随分と色濃く表情を青くする。

つか、総司って、確か・・・、

「この子が僕らと仲良く話す決定的な権利を突きつければ話が早いってことだよね。」

「決定的な権利って、」


何を、言い出すつもりだ、と彼女らの顔には不安や疑問やいろんなもんが混ざり合う。
それよりも、今まで傍観者決め込んでいた奴のここでの介入に眉をひそめてしまう。
こちらの疑惑の視線に気づいていながらも、わざとらしくそれを無視して私に庇われた状態の千鶴ちゃんを覗き込む。


「ねぇ千鶴ちゃん、僕のこと呼んでみてよ。」

「え・・・沖田、さん？」

戸惑いながらも小さな声で呟いた千鶴に奴は態とらしいほどの笑顔を向けた。
それは、助けに来たのか場を掻き混ぜに来たのか分からないほど、楽しそうな笑みそのもので、

「ううん、違うでしょ。家で呼ぶみたいに呼んでよ。」

「でも、」

「いいから。せっかく僕が彼女の勇姿に感心して割り込んであげたんだからさ。」


意味ありげな視線が気に食わなくて睨み返せば、余計に笑顔を返される。
ほんと、なんなんだよ、この男は。っつか、沖田総司って話の当人の癖に今まで傍観者で徹してた性格の悪さをファンだという女の子たちに言いふらして回りたい気分だ。




「そ・・総司お兄ちゃん・・・」


しかし、戸惑いながらも小さく小さく新たな名称で奴を呼んだ千鶴ちゃんの声に、沖田への不満なんて吹っ飛び、一瞬思考が一切停止した。





「・・・は！？」








＠あとがき

ごめんなさい（；へ；）

昨日は夜にもう一回更新出来そう！なーんて言っておきながら・・帰宅してご飯食べてシャワー浴びて・・すぐにベットに倒れこんで、しまいました・・（´ｖ｀；）いやぁ、もう、疲れがＭＡＸ状態でした・・。来週の火曜日に展示会の作品の最終プレゼンテーションがあるわけでして、ギリギリまで大学の工房にこもっているという生活に・・心身ともに、限界、です。

ゼミ展ＤＭご希望の方。
ＤＭは月曜日に一斉発送いたします！！ポスターは在庫がないので、欲しいって方がいましたらご連絡ください！展示会の時までに用意しておきます！って言ってもＢ５サイズの小さなチラシ的なものですが・・。


さぁて、お兄ちゃん発言に私もビックリです！！
多分、家ではおにいちゃんって呼ばないと返事しないよ、なんて意地悪を言っているのかなー総司は、なんてぼんやり思いながら書いてました。あ、一君はそんな我侭言わないよ！でもきっとお兄ちゃんって呼んだら微かに目を見開いて固まっちゃうんじゃないかなぁ、とか、、、妄想が、いやいや、願望が・・（*´∀｀*）

あ、昨日の更新の最後の科白・・。まるで総司が来てくれた！？って感じに見えちゃってますが・・すみません。春ちゃんです。実は、このネタは・・随分と昔、ラブレボで夢小説書こうと思ってネタとしていろいろ書いていたときの一つから抜粋。結局連載せずに終わったので少しだけネタを引っ張ってきた、ってわけです。
あ、ちょっと見てみたい！なんて思った方いましたらこちらからどうぞー。

設定は、ヒトミ≠ヒロインです。
ヒトミちゃんのお相手は颯太くん。
ヒロインは「葛城春奈」（春ちゃんの元ネタなイメージの人）
黒髪美人で、若月×ヒロイン←華原っていう三角関係もの。（三角関係ネタが好きなんです；）

本館の夢小説専門のサイトが復活したら連載してみたい、とは思うけれど・・多分実現しないので結構量を書いて溜めてあったので、少しもったいないなーって。