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期間限定。薄桜鬼小説ブログ。
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「ちょー!総司!!いい加減にしろっつぅの!千鶴も頼むから起きてくれよ!!」

そのとき、平助の切羽詰ったような声が響き渡った。



「ねぇ、いい加減に静かにしてよ。千鶴ちゃんが起きちゃうよ?」

「起こしに来たんだっつーの!!つか、ほんと、お前どっかいけよ!!」


総司が平助を押しやって雪村の寝床の掛け布を剥がし、それから未だに起きる気配に見えない彼女の夜着に手を掛けようとしている。
平助は真っ赤になって雪村の夜着が引っ張られていくのを食い止めようと必死だったり、新八などは思考停止しているらしくもはや使い物にならん。

仕方がない、とこちらも半ば諦めようなため息を吐き出してから俺は雪村の枕元に膝を着いた。もちろん、三人が位置を取り合っているのとは反対側の雪村の左脇側に回りこんで。

そうして、少し乱暴に布団と背の間に腕を差し入れて強引に身体を起こした。


「ちょ、一君!?」

「こうでもせねば起きぬだろう。」

「でもさ、それって・・」

急に身体を起こされれば当然のように肩から落ちかかっていた夜着がずり落ちる。
しかし、彼女自身はまるで他人事のようにぼんやりとした目をして、あろうことかそのまま俺の背に倒れこんできた。

「・・っ・・、」

声にならない音が喉のから発せられた気がした。
しかし、気のせいだと自分自身に言い聞かせる。


「・・・ん・・、ぅ、」

「・・・いい加減に起きろ。お前が起きぬと総司たちの馬鹿騒ぎが収まらん。」


「馬鹿騒ぎって言い方、なんか釈然としないけど・・・、それよりもさ、なんか斉藤君、ずるくない?」

「ずるいとかずるくないとかの問題ではないだろう。」

総司が寝床の向こう側で、文句を吐き出してくるが耳に通すことなく受け流す。


「雪村、昼から平助の組と巡察があるのだろう。」

「・・・ん、平助くん・・?」

「ち、ちづる!」


うっすらと開いた瞼がどうやら平助の方を向いたらしい。
焦ったような平助の声が聞こえ、しかしすぐさま伸びてきた手に遮られる。


「千鶴ちゃん、いつまで斉藤君の背中にひっついてるわけ?」

「・・・斉藤さんの背中・・?」

覗き込んできた顔は不機嫌を前面に押し出している。
平助の頬を無遠慮に弾くようにして後ろに下がらせて、眉間に皺を寄せて雪村の頬を人差し指で突いている。


「ちょ、やめろって!総司!!」

「うるさいな、平助君は十分千鶴ちゃんの寝顔堪能したんでしょ?次は僕の番。」

「たた、堪能って・・俺は、」

「もう、ほんとうるさいから後ろに引っ込んでてよ。」


騒ぐ二人をぼんやり眺めていたらしい雪村は、ゆっくりとした動作で頬を俺の背に押し付ける。急に重みを増して顔だけ振り返らせれば、未だに覚醒しきっていない寝ぼけ顔が瞳に映る。


「・・・・斉藤さんの背中・・暖かいです」

「・・・・・・っ」

「千鶴・・!?」

慌てたような平助の声を背に受けるが、俺自身、彼女の重みを払うことなど出来るはずもなく、


「あったかい・・・父様みたい・・、」

「・・一君だけって、ずるいよな!」


ぐっと平助が唇を噛み締めてから、俺の背に凭れ掛かる雪村の背に抱きついた。


「平助、何をしている・・?」

「だって、一君だけってずるいじゃん!俺だって千鶴にぎゅーってしたいし!」

「俺の場合は事故のようなものだろう。」


二人分の重みを受けて、少しばかり胸元が息苦しい。
いい加減に収拾がつかなくなってきた、平助は必死な分落ち着かせるのは面倒だが総司は明らかに面白がってみている。


「平助、いい加減にしろ。」

「だってさー・・・、」


渋る平助を放っておき、視線を彼らから奥・・、正式には出入り口に近い奴に向ければどこか楽しそうな視線とぶつかる。


「左之。」

「・・はいはい、分かってるって。おぃ、新八。」


あいつはいつの間にやら遠目で俺たちをみて楽しむことにしていたらしく見物決め込んでいた。
短く名だけを呼べば、すぐさま傍で挙動不審になりながらも雪村を見遣っていた新八を呼びつける。


「あ、あぁ!」

「しょうがねぇな、もう少し寝ぼけちまってる千鶴を見ていたかったんだけどよ。」

「おま・・!!んなこと言ってるは場合か!総司がこれ以上なんかしでかす前に止めねぇと!」

「ま、それもそうだな。このままじゃ、斎藤も辛そうだしよ。」

「おい平助!とりあえずお前からどけって!」

「んなこと新八っつぁんに指図されたくねーし!」

「てめ・・ガキみてぇに意地張ってんな!」

「・・たく、」

と、左之は二人のやり取りを見て小さくため息を漏らした後、雪村の傍にそっと歩み寄る。


「おい、千鶴。」

左之が優しく雪村の頬を撫で、そして耳元に唇を寄せた。


「左之、何をするつもりだ。」

「寝ぼけた女を起こす方法なんざこれくらいしか思いつかねぇからな。」



「千鶴、いい加減に起きねぇと・・食っちまうぜ。お前の着てる夜着剥いじまってな。」


「・・へ!?は、原田さん!?私の分のご飯まで食べちゃだめですよ!」

ビクリと肩を震わせたかと思えば、雪村はガバっと勢いよく顔を上げた。
その反動で自分の後ろに引っ付いていた平助が小さく、うわっと驚いたような声を上げる。

そうしてゆっくりと辺りを見回して、ぽかん、とする左之の顔を見て雪村もまた、何度も瞼を瞬いた。


「あ、あれ?」


思わず固まってしまった左之のすぐ横で、総司が耐え切れないと言うように大きく口を開けて笑った。


「っ・・あははは!せっかくの殺し文句も千鶴ちゃんには通用しないね、左之さん。」


「・・はぁ。まぁ、そこがこいつのいいとこでもあるけどよ。」


状況の掴めぬままの雪村は自分にしがみついてる平助と、自分がしがみついてる俺を交互に見やり、
そうして寝ぼけていた表情が次第に真っ青に変わっていく。


「あ、あの、この状況は一体・・。」






 @あとがき

ご、ごめんなさい・・・!!今日は囮捜査の方の更新をする!なーんて言っておきながら・・更新できませんでした(ーー;)

いや、あのですね、言い訳ってわけじゃないのですが、ちょっと迫ったり迫られたりっていうシーンは2倍くらい時間を要するものでして・・間に合わないなぁ、と思って急遽、モーニングコールの方を。
こっちはもうすぐ完結なので一気に書き終えてしまおうっていう意味もあったりするのですが。とりあえず・・・、やーっと千鶴ちゃんが目を覚ましました!!あれだけ騒いでいたのにどうして起きないんだ!と思う方もいると思いますが・・・うちの妹は本気で大騒ぎしようとすぐそばで大音量で音楽を聴いても・・起きないときは起きません(^∀^;)千鶴ちゃんも明け方まで頑張っちゃってきっと疲れていたのですよ!!

あと1話か2話程度で完結です!!さーって、オチは誰にしようかしら。


私信:

本日、ゼミ展のスタッフのシフトが入っておりましたのでお昼過ぎから会場入りをしたのですが・・

笑さん、佳奈子さん、ご来場ありがとうございました!!!

もう、ほんと、いろいろとテンパってしまって申し訳ないです(><)
でも、すっごく嬉しかったです!!実は、笑さんはお子さんの体調も芳しくないとのことでお会いできないのかぁ、としょんぼりしていたので、嬉しさよりもまず驚きで一時停止してしまいました!!
太陽くんたちといっぱい遊ばせていただきました!!ありがとうございました!!

差し入れなんかもたくさん頂いてしまって(//∀//)
モロゾフ大好きなんですよー!!モリモリ食させていただきます!!
あと、佳奈子さんは私の好きなお菓子の詰め合わせを覚えていてくださって大感激でした!!

もう、途中はいろいろと緊張してしまってちゃんとお話できなかったのですが、また是非とも機会を作って会ってやってください!!楽しみにしております!!(*´v`*)


明日ご来場予定の方へ

明日の日曜日は12時の会場がオープンと共にスタッフとしておりますので、何か「物申す!!」な、ことがありましたらお声かけてくださいまし!!
 

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こんばんは☆第一弾
…焦らしプレイ続行中ですね。
焦らすのがうまいなー(笑

今回の千鶴ちゃんは、一くん殺しですねv
「・・・・斉藤さんの背中・・暖かいです」は、一くんも一瞬息が止まったと思いますよー。目に映るは、寝ぼけ顔ですからねー。寝ぼけ顔といったら無防備もいいところですよ。これで何も思わなかったら…駄目です。
何か思ってもらわないと(笑

さっき、一くん殺しって書きましたけど、一番痛手を負ったのは左之さんかな…。
殺し文句をある意味聞き流されてますからね。
これはちょっと気の毒と思いながら、笑ってしまった。

次回のモーニングコールは覚醒した千鶴ちゃんでしょうか。どんな展開になるのか…。

今回の平助くん、いろいろと必死で可愛かったv
ずるい、とかぎゅーってしたいって…真っ直ぐなんだなーvvv

ではでは。第二段で(笑
遠村 笑 URL 2008/12/14(Sun)21:55:14 編集
お返事第一弾です!(^-^)
じ、焦らしプレイはお好きですか?(^U^;)
・・・・・、ごめんなさい。ちゃんと、ちゃんと、頑張りますよ!!


今回は、一君や平助君や男性陣の視点も結構複雑なのですが・・純粋に千鶴ちゃんを考えたとき、寝ぼけてむにゃむにゃいいながら傍にあるあったかいものにしがみつくって姿がかわいいなぁって思いまして、もうそれだけが書きたかったんです!(^∀^)
もっちろん、平常心の塊のような男、斉藤一君でも、どっきゅーんってきてるはず!!いや、きてなかったら男じゃないですよね!!

今回の左之さんは、本当に可哀相な役回りばっかりですね;
総司に振り回されたり、千鶴に接近してるのは平助君や一君ばっかりですし。でも彼は数日後、で結構おいしい場面を作ってあげたのでいいかなーって(^ー^;)少し、気の毒ですかね、やっぱり。

平助君を可愛く書くのが楽しくて仕方ないんです!!
もう、どうしてくれよう!この可愛い人!!ってくらい平助君の必死さが自分で書いておきながらヒートアップしていく感じです。


って、いうか・・更新分にそれぞれ感想頂けて嬉しいです!!
お手数を掛けてしまって申し訳ありません。でもでもでも!嬉しいものは嬉しいんです!!ありがとうございますー!!!
千尋  【2008/12/15 00:34】
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