「っ・・や、やだ・・!!」
熱い何かが急に口元から離れ、そうしてお互いの睡液が細い糸となって私たちを繋ぐ。
彼は、酷く残酷な笑みを浮かべながら私の着物の帯を力任せに引き剥がす。
「っ・・・!沖田さん!!」
「だめだって、僕の名前を呼んだら。新選組の沖田ってばれちゃうでしょ。君の囮捜査に僕も付き合ってあげているんだから、ちゃんと役になりきってよ。」
「役って・・・、」
必死に帯を掴んでいる私に対して、彼は笑みを深くする。
「・・いい加減に静かにしないと・・無理やりにでもその口、封じるよ?」
「・・ッ!!」
耳元で囁かれる低い声は、ぞくりと背中に悪寒を走らせるには十分な効果をもっていた。
彼は私が思わず口を噤んでしまった、という様子にクスっと微笑を漏らして、そうして帯を私の腕から奪って地面に落とした。
「大丈夫だよ、そんなに怯えなくても。いくら僕だってこんなところで君を襲ったりしないよ。」
今の状況を見て、何を言ってるんだろう。思わず口から出てしまいそうになった言葉を慌てて飲み込む。
「たださ、ちょっとだけ、味見したいなって思っちゃってね。」
「味見・・、っていうのは・・」
「もちろん、君のこと。」
呆然とする私に対して、彼は襟元に腕を差し入れてぐいっと下に着物を引き下げる。
「っ・・な!?」
「こんな格好して、素直に僕についてきたりしちゃ・・だめだよ?」
「だ、だめです!沖田さん!!」
自分の身体を抱きしめるように腕で胸の部分を押さえれば、彼はそっと私の腕に手を置いて、小さく一言呟いた。
「・・大人しくしてくれないと、辻斬り犯に見せかけて、殺しちゃうよ?」
彼は、そう言って私の動きがピタリと止まったことににっこりと微笑を浮かべながら、更に私を追い詰める。
「ねぇ、知ってる?君は、触れるたびにその甘い香りが増していく。そうして僕を惑わせるんだ。」
闇の中で、薄く笑う。
彼は私があなたを惑わすと、そう言うけれど・・そうじゃない。
私にとっては、あなたの、その妖美な微笑みが甘い毒のように感じるの。
闇の中でこそ映えるその、綺麗で、酷く残酷な微笑み。
「・・・っあ、」
小さく漏れた声に、彼はふっと小さく笑って、それから動きの鈍くなった私の腕を捕らえる。
そうして緊張で硬くする両腕を解いて、邪魔だとばかりに後ろ手に縛る。
麻痺してしまったかのように、私の心の中の感情も、身体も、鈍ってしまった。
彼は、何度も、何度も、大丈夫だよと優しく囁く。
でも、何が大丈夫なのかと問うことは許されていない。
ちょっとだけだよって言いながら、肌蹴て夜風に晒されている肩口に唇を寄せる。
どうして、ねぇ・・どうしてこんなこと、するんですか?
そう、問うたら、なんて答えてくれますか?
この行動に、意味があるのだとしたら・・どうか欠片でいいので、教えてください。
「っ・・・んぅ、」
「そう・・いい子だね。こんなところで大きな声を出しちゃだめだよ。」
短い呼吸を荒く繰り返す私とは対照的に、彼の息は一切乱れておらず、普段と変わらぬ調子で私に触れる。
「・・・・・め・・・、です・・。」
「ん?」
胸元からするりと中に押し入ろうとする掌は、ほんの一寸動きを止める。
彼は上辺だけこちらに意識を寄越す。
「これ以上は、だめ・・です。」
「・・・・どうして?」
それは、私の科白ですよ、沖田さん・・。どうして、どうしてどうして、こんなことを・・
何度も何度も問いたくて心の中で繰り返した言葉。
「わ、私は・・こんなことをするために・・この恰好をしているわけじゃないんです・・だから、」
搾り出した答えは、なんとも言い訳がましかった。
けれど、複雑な心の中を整理してから言葉を吐き出すほどの余裕がなくて、これが私の精一杯。
そんな私の言葉に、彼は気分を悪くしたように眉をひそめる。
「・・・ねぇ、千鶴・・・ちゃん」
@あとがき
ま、間に合いましたー!!なんとか日付変わる前に更新できましたよ!!
やれば出来る子!!やらなきゃ何も出来ない子ですが!!
なんか、今日はあとがきが書きづらい内容なんですが・・(ーー;)暴走沖田をどう諌めようかなぁと、頭を悩ませております。そもそも!こういうシリアスっていうか少し暗い感じで、ちょっとえっちぃお話・・実はコメディよりも書きやすいのですが・・(時間はかかるけれどもネタはね、大量に出てくるんです・・)、それでもこのブログの目的は、みんなでわいわい逆ハーなので・・・、どうしたものかと・・。でも、お話を随分といろいろ執筆してきたので少し関係も深い感じのお話が増えていくのも自然なのかなー・・とは思います。
いや、でも、みんなでわいわいが基本的に好きなので、次の新作はそんなんがいいです!!
・・でも、意外にも囮捜査は終わりそうで終わらない。混浴騒動も同じノリだし・・。沖田の暴走か、平助の暴走かの違いだけですしね・・(´へ`;) いやだー・・・千鶴ちゃんをこれ以上、危険な目に合わせるものか!と思うので・・新作は明るい雰囲気のお話にします!!まだまだ先ですが、「男の矜持にかけて!」と「混浴騒動番外編」を交互に更新していけば、こう・・均等かなーって。
あ、ゼミ展の撤収作業が今日で終了し、明日から、今度は卒業制作の制作期間に突入です!!
残り一ヶ月しかないので毎日モリモリ染色します(*^□^*)展示は大学で大規模に行いのですが、うちの学科は別途に代官山あたりのギャラリーを借りて展示会を行います。
また近くなりましたらご案内します!今度はゆっくりお話とかできたらいいなーって思ってます(^v^)
安静にしてますよー
もう、今までの睡眠不足が嘘のように一日、ベットの中で過ごしちゃいました!!(^V^)
パスワード入れるまもなく、だったので気を取り直して…コホッ
ゼミ展が終わったばかりで疲れが出たんでしょうね。ゆっくり休んでくださいねっっ
代官山の作品展(でしたっけ)も気になるので、また近くなったら教えてくださいねーvvv
さてーvvv
囮捜査~~♪
沖田くん暴走してますね~vvいいですよ、この展開。
千鶴ちゃんには申し訳ないけれど、頑張って(?)耐えてもらって…、邪魔が入るといいよvvそして今度は沖田くんが耐えるといいよvv
でも、最後の沖田くんの言葉は…ちと怖いですね。次に出てくる言葉は何ですか…?
眉をひそめるなんて…千鶴ちゃんの緊迫を解放する言葉が出るのか、それとも絶体絶命!のような更に追い詰めるような言葉が出るのか…。
千尋さんが回復されて、更新されるまで私は耐えます(笑
違う違う。
楽しみにしてます、デスv
拍手も読ませていただきましたーvv
左之さんでましたねーーーvvv
めちゃくちゃ嬉しいデス。このシリーズ初の出番ですもんね~♪
1の終わりには春ちゃんからナンパ男と勘違いされてましたけど(笑
春ちゃんも女の子に見えなかったというのが…どんだけカッコいい女の子なんだよぉぉぉぉぉっ
絶対私惚れる自信ありますっっ
…逆ハーとはいえ…千鶴ちゃんが羨ましい><
あ、千尋さんー。
年賀状誰にしますか?
元気になったら教えてくださいねーv
それと冬コミって行かれますか???
ではではv
とりあえず、一日寝たら大分体力も回復したので、布団の中からごそごそ這い出てしまいました!
えーっと。。囮捜査ですが!実はそれを書いている途中から大分、熱で意識が朦朧としていて・・正直、あんなこと書いてたのか、自分・・と後になって顔色を悪くしてしまいました(^-^;)
えっと、えと、はい!邪魔、入りますとも!!だって、千鶴ちゃんはみんなの千鶴ちゃんだから!!
沖田君だけ独り占めなんてダメですよね!私としては左之さんに乱入試みて欲しいところですが・・まぁ、察していらっしゃるとは思いますが・・、乱入するのは残念ながら左之さんではないんです。。
でもでも、笑さんが思わず「きゃっ!」って赤くなってしまうようなハラハラな展開になるように頑張りますね!!
なんで、きゃって言って下さいね!(´∀`)v可愛く「きゃー//」って!
スクールフライフの方も続きを頑張って執筆中ですー
春ちゃんがあまりにも女らしくないので、生みの親のくせに時々・・彼女のことを男だと思ってお話考えているときがあったり・・なかったり;
雪村家の男たちはみーんな千鶴ちゃん大好きなので、春ちゃんは誰が一番安全かを見極めるため、きっといつも以上に男らしく目を光らせてくれるはずです!!(笑
相変わらず沖田君は春ちゃんに嫌われてますが・・、まぁ・・、彼のことだから春ちゃんに嫌われたって関係なく千鶴ちゃんに迫るんですよねー・・きっと、(´v`;)
年賀状・・?
あ、そだそだ!笑さんから愛のこもった年賀状を受け取れるんですよねー!!
えーっと、リクエストしても良いよ!ってことでしょうか??
うんうん、きっとそうだ!と、勝手に解釈させていただいて・・もちろん!左ー之さんでお願いしたいなーっと!!
私は、総司か左之さんのどっちかで描こうかと思っているのですが・・どっちがいいですか?え?どっちでもいい?
ではでは、届いてからのお楽しみと言うことで(*^∀^*)
あ、冬コミはもちろん出陣いたしますよ!!
今年は忙しいので1日目しか参加できないのですが、薄桜鬼の本がいっぱいあるといいですよね!!
あーっと、言い忘れるところでした(@□@;)
体調の件、ご心配をおかけしました。
気遣ってくださって本当に嬉しかったです!!ありがとうございました!!
笑さんもお体には十分気をつけてくださいね!太陽君たちもお外で遊ぶときは暖かくして遊ばせなくちゃダメですよ~