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期間限定。薄桜鬼小説ブログ。
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「・・・ねぇ、千鶴、ちゃん・・」





彼は微かに俯き、額に影が差す。
前髪の隙間から覗かせた瞳に、私の身体は一瞬、ものすごい悪寒に襲われる。

「沖田、さん・・」


「君に、何が出来るんだろうね?」

「え・・?」

吐き出された言葉を理解するのに、時間がかかる。


「新選組の中において、君にできることなんてないんだよ。」

大通りから差し込む微かな月明かりの中で、やはり、彼は酷く綺麗に歪めた笑みを作る。



「私に、できること・・」

「だから、君は大人しく僕の言うことを聞いていればいい。」


思わず、頭に血が上る。
ぎゅっと唇を噛み締めて、耐えて、それでも、目尻に溜まる雫は留まってくれず。

私は、考えるよりも前に、叫んでいた。


「離してください!!」

「・・・・、」

「私は・・・、確かに私は、皆さんの何の役にも立てません!新選組の仲間だなんて、そんなおこがましいことを考えているわけじゃない。けれど、それでも、私は・・少しでも仲間に近づきたくて、何でもいいから私の出来ることを見つけたくて・・・!!

だから・・だから、沖田さんが私を囮にって言ってくださったとき・・本当はすごく嬉しかったんです。私にも出来ることがあったって・・。」


一呼吸もいれず言い切れば、彼は目を丸くして私を凝視していた。
それからすぅっと目を細める。いつもなら、そこで思わずビクリと肩を震わせて口を噤んでしまう。

けれど、それじゃだめだって、思うから・・


「もし、このまま沖田さんが・・わ、私に触れることで・・囮としての意味を成すというのなら・・構いません。それが私の出来ることなので、従います。けれど、もしそうでないのなら・・・「もう、いいよ。」


一言、それは酷く冷たい声色で発せられた。


「もう、いいから、黙りなよ。」

「・・・・、」

「なんか、面倒になっちゃった。」


彼はゆっくりと私の胸元に差し入れた手を引く。
私の言葉に耳を貸してくれたのか、と一息つこうと息を吐き出したとき、


「・・・っ!?」

ぐっと急に首に大きな手がかかる。


「少し、生意気なその口・・黙らせてあげる。」

「お、きたさ・・・、」


彼の笑みは先ほどと変わらず、酷く冷たく、そして穏やかなままだった。
けれど、瞳は・・泣き出しそうなほど、歪んでいた。


「もう、囮とか、そんなのどうでもいいよ。ただ、君は僕のために啼いてくれればいいんだ。」


ナミダが、思わず零れ落ちそうになった。
なんでだろう。悲しくて・・切なくて・・どうしようもなく愛しいと感じてしまうのは何故なんだろうか。


「っ・・・、め・・、です。」


先ほどから幾度となく繰り返してきた言葉を、私は再び口にする。


「おきた・・さん、だめです・・、」

「黙ってって、何度も・・「っ・・・私は!・・・わたしは、沖田さんにそんな顔・・してもらいたくない・・」



「・・・っ!」

ハッと、彼は息を呑んだ。
そうして自然と緩んだ首筋の圧迫に、私は咳き込みながら必死で呼吸を整えた。


「・・けほ、・・・けほっ・・、・・・っは・・、はぁ・・」

「・・・・・・・・・。」


「・・・沖田さん・・どうして、そんなに、泣きそうな顔をしているんですか?」

「・・・千鶴、ちゃん・・」


俯いた彼は、はぁと小さく息を吐き出した。

「君は・・、」


そうして、子供が泣き出すかのように目尻を下げて、ぎゅっと唇を噛み締める。


「ごめん・・・ごめん・・・。」


そのまま、身動きの取れない私を強く抱きしめて首筋に口付けを落とす。


「お、きた・・さん。」

「ごめん、とまらない・・もう、とめられない・・」


先ほどとは明らかに違う、彼の苦痛の混じった表情。
普段のようなどこか悪戯をするような含んだ笑みが一切消えて、苦しそうな顔を作って私の着物の襟元に唇を寄せるから、

どうしていいのか分からずに、身体のすべての機能が停止してしまったかのように、動きを止めてしまう。


「・・・ひゃ・・、」

ギリギリまで着物を下げられた胸元に彼はいくつも口付けを落として、そのままするりと腿を撫でる。


「千鶴ちゃん、ねぇ、このまま・・」

「・・っ、」


甘い、どこまでも甘い声色で囁かれる。
優しく腿を撫で上げ、そうして彼の手は上へと上ってくる。

「っや・・、」


拒みきれない。
甘くて、そうして泣きそうなほど切なそうに私の名前を呼ぶ彼を・・、






「総司、それ以上は、俺が許さん。」


静かに、どこまでも低く穏やかな声色で告げられた一言に、沖田さんは手を止める。

「・・・一君、お願いだからさ、今回は見てみぬふりをしてくれない?」








@あとがき

・・・・え、えーっと・・・、その、情緒不安定な沖田君を書いているとこっちまで情緒不安定になりそうで怖いな、と正直思ったりなんかしたり・・してます。
なーので、次回の更新は明るくモーニングコールの方を更新しますので!落ち込んだときは平助君ですよね!!彼の出番を書くだけで明るい気分になるんですよー(*^v^*)

あ、風邪の方は大分調子はいいです。
いっぱい寝て、いっぱい水分とって、回復に向かっていますので来週ぐらいからはまた毎日更新に戻れるかなぁと!!冬休みの間は自宅で卒制の下準備を進めて、新年明けたら大学の工房にまた篭る生活です!!もう早く卒業してホッとしたいー(ー△ー;)


あ、年賀状ください!って方は25日くらいまでに住所教えてくださると嬉しいです!!
ありがたいことに年賀状あげるよ!ってお声もかけていただけたので、そうした方々には私も25日までにはご連絡のメールさせていただこうと思ってます。


クリスマスは・・今年はのんびりできそうにないです・・。クスン・・

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こんばんは☆
体調、回復に向かってるそうで良かったですv
年末に向かって忙しいですからね(さすが師走、というだけあって)。風邪が長引かないように気をつけてくださいねvv

囮捜査…ですよねー。やっぱり左之さんじゃないんですよねー……………。
わかってましたとも。
ココで左之さんは出てこないって。
そして、やっぱり一くんなんだろうなって。
…今回の展開では左之さんより一くんだな、と。
沖田くんの情緒不安定は怖そうですね(笑
そんな沖田くんを千鶴ちゃんは変えちゃったんですよね。
仮面が取れた…違うな…。
本当の沖田くんが見れた感じですね。千鶴ちゃんのこと、本当は(本当に?)好きなのかなって…。
一くんが来なければ、沖田くん千鶴ちゃんに溺れちゃっていたんではないでしょうか…。

一くんの目、メチャクチャ細められてて…怖そう…。背中には物凄いオーラが出まくっていたり…。

次回の展開も楽しみにしていますーvv


あ、あと年賀状の送り先、ご面倒おかけしますがウチのメールかブログ(非公開にしてもらって)で教えていただけますか?
…年賀状、インクジェット用を買ってしまって、普通に描いて、消しゴムかけたら耐水性のインクがビヤーーーーーーーーッッッてのびました(泣
描いた全てが描き直しという…間に合うのか、って感じです><
左之さんで承りましたv私は…楽しみですvvふふふvvvvv


千尋さんも冬コミ1日目に行かれるんですねーーvもしかしたら、どこかですれ違うかもv
本当に薄桜鬼の本、たくさんあるといいですねっ
あと、その中でももちろん左千は欲しいんですけど、鬼畜な沖千も欲しかったり…といいながら、斉千が欲しかったり…予算を大幅に飛び出しそうな勢いです。
念のため、大きなカバンを持っていこうと思ってますv財布の中身と相談しながら買い漁ろうと(笑

ではでは。

失礼しまーすvv
遠村 笑 URL 2008/12/20(Sat)21:57:37 編集
こんばんわー(//◇//)
こんばんわ!!

囮捜査ですが・・、はい、左之さんでは・・ないです(ーー;)
左之さん出したらもれなく他2人もついてきちゃいますし・・、なにより、一君の出番を増やそう週間なので!(*^∀^*)千鶴ちゃんの本日の護衛は一君だったのに、なんで沖田君に襲われてるところをすぐに助けなかったんだ!!ってのは、次回に謎解きをしますのでv

沖田君は、本当に普段からある意味では情緒不安定というか、内心が読めない人なので、少しずつ本音を出させるのが大変です;
でも、きっと本当に奥のずーっと奥底では千鶴ちゃんが大好きなんだろうなって、信じてはいるんですけどね。彼の性格が天邪鬼なので、素直になれないんですよね、きっと。(そう、信じたい・・・。)


年賀状の宛先、これからメールにてご連絡させていただきますね!
私も年賀状は家族みんなで一気に購入なので、必然的にインクジェットです・・。スキャナーが壊れているので、大学でこそこそ読み取りして着色しかないかなーっと頭を悩ませてます(^v^;)
笑さんの描く左ー之さん!!楽しみにしておりますー!!


冬コミにてすれ違ったら・・こっそり後ろから抱き付いちゃおう!と思ってたりします(*^∀^*)
とりあえず、薄桜鬼ジャンルはすべてGet!!な、ぐらいの勢いです(//∀//)左之さん、総司、一君、土方さんは絶対あると思うんですが・・平助君と風間様と新八っつぁんの本が見つけられるかなーと、ちょっと不安です。来年の乙女祭がきっとみんな本番かなぁー・・。


ではでは、本日も有難うございました!!
おやすみなさーい(´◇`)
千尋  【2008/12/21 23:38】
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薄桜鬼二次創作
小説はシリーズで連載しています。

        
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