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期間限定。薄桜鬼小説ブログ。
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「あれ、やっぱり図星?っていうか、さっきまで見たとか見てないとかぶつぶつ言ってたからどこまで見たのか追求した方が早そうだね。」



「え!?」

と、そこまで俺らをハラハラと心配そうに見守っていた千鶴ちゃんが驚いたように声をあげた。








「み、みたって・・・」

「・・千鶴ちゃんのは・・・

「だーーーーーーーーーーーー!!!」


俺の大声で総司の言葉をなんとか消し去る。
昨日の今日でそんなこと言っちまったら、本気で軽蔑されかねねぇ、

「・・ごまかし続けるのは新八さんの自由だけどね。僕が言いたいのはそんなことじゃなくて、」

そこまでにこりと笑うわけでもなかったが、それでも殺気を飛ばすには至らなかった総司の表情が、ふと、歪んだ。



「武士として、潔く死んでください。」

真っ黒い笑みを浮かべてスラリと光る愛刀を鞘から抜いた。


「沖田さん!?な、なんで刀なんて抜いているんですか!?」

慌てたように総司の腕をつかむ千鶴ちゃんに、やはり先ほどと同じく歪みきった笑顔を向ける。

「君はだまって見ててよ。新八さんが潔く、武士として、男として死ぬところをさ」

って、勝手に殺すこと決定してんじゃねぇよ。


「だめですよ!どうして沖田さんが永倉さんに刀をむけるんですか!?」

「・・・君さ、今までの僕たちのやりとりみてなかったわけ?」

「え・・、見てましたけど・・」


「・・・・・・。」


数秒、間をおいて総司はゆっくりと口を開いた。


「わかった。新八さんを殺るのは今度にしとくよ。それよりさ、」


今度ってなんだよ、今度って。

まぁ、でも、総司がようやく刀を鞘に納めたので、俺も息を吐き出した。
こんなところで私闘なんてしたら土方さんに怒鳴られるだけじゃすまねぇだろうしな。


「今度からは誰かが入ってきてしまった時点ですぐに声を上げるんだよ。」

「はい!」


総司の説教のような物言いに対して、千鶴ちゃんは素直に頷いている。
なんとなく、ぼんやりと眺める。

総司の出現に驚きはしたが、でもどこか冷静になった気がする。
これならば今後も彼女に対して自然に接することができるだろう。



「そもそも、入る前に斎藤君とか山崎君とか僕とかに一言声をかけること。」

「え、あ、はい!」


・・ん?斎藤とか山崎に伝えておけば最悪の事態は免れそうだが・・なんで総司が混ざってんだよ。


「いくら寒い時期だからっていつまでも長湯してたらだめ。あの時間帯は巡察から帰ってきた隊士が風呂を使うこともあるんだから。」

「はい!」


「あと、次は僕と一緒にお風呂に入ろうね。」

「はい!・・・、え?」








「今、うんって返事したよね?」

「え、えっと・・・。」


にっこりと、今度は正真正銘の満面の笑みを浮かべて総司は再度確認した。

「返事、したよね?」

「・・・・・はい。」


引きつったような青ざめた顔をした千鶴ちゃんに無理やりといっていいほど返事をさせる。
おいおいおい、傍観者決め込むわけにはいかねーだろ、この展開!!

「総司、お前何言ってやがんだ。」

「新八さんと一君は彼女と一緒にお風呂に入ったんでしょ?僕だけ一緒に入っちゃいけないなんて、ずるいよね。」

「いや、あれは一緒に入ったつーか、」


「一緒に湯船に浸かって、裸の付き合いしたんでしょ?」

「だから!そういう言い回しを使うんじゃねぇよ!」


埒が明かねぇ!
これ以上総司に付き合っていたら今夜辺りの風呂は混浴になっちまいそうだ。
俺としては、う、嬉しくないわけじゃないが、いやいやいや!それはまずいだろ、

ここにいるのは俺だけだ。総司から守ってやんねぇと、

「つーか、総司よぉ、昼の巡察はお前んとこの一番組だろ?さっさと行ってこいよ。」

「あ、ごまかそうとしてる。」

「お前となんて一緒に入らせられるわけねぇだろ!さっさと諦めて巡察行け!」

「・・・・・。」


そこで、ようやくむっすーっとした表情を作って、総司はチラッと俺から視線をはずす。
外が少し騒がしくなっているから総司んとこの隊士たちが巡察に行く準備終えて集まってんだろうな。


「分かりました。今回は引きますよ。でも、今度、必ず一緒に入ってもらうから、ね、千鶴ちゃん。」

「え、えっと・・・」

俺を睨み付けた後、俺が庇うようにして後ろに下げた千鶴ちゃんを見やって総司は目を細めながら言う。









「千鶴ちゃんの肌って相当白くて綺麗みたいだし、僕も一緒に入って見て見たいんだ。」

「なっ・・・!?」

「じゃぁね、千鶴ちゃん。新八さん。」


あり得ない置き土産を残して、総司は身を翻した。


「「・・・・・・・。」」

真っ青になって立ち尽くす彼女に、俺が声をかけてあげられるのはそれからしばらく経った後だった。











@あとがき

後日談なのに!この話の後日談を書きたくて仕方がない!!
しかし、それだと永遠とループなので、とりあえず沖田、永倉編はこれで終わりです。閲覧ありがとうございました!!(^し^)ノ

次回は原田、斎藤、藤堂編です!!
といっても昨日のあとがきの通り、メインは左之さんと一君なのですが。
土方さんたちのお話は、執筆するかちょっと微妙な感じではあります。なんとなく、土方、近藤、山崎は保護者って言うか傍観者な立ち位置なんですよ。とりあえず、保留です。

小説一覧に今後UP予定のお話のあらすじをチラっと載せているのでよければ確認してみてくださいね!!
 

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はじめまして
こんばんわ、はじめまして。東雲理緒といいます。小説読ませていただきました。なんというか・・・斉藤さんがうらやましいです。かわいいですよね、千鶴ちゃん!そして原田さんは正直ですね、さすが嘘のつけない男!薄桜鬼では原田さんルートが一番好きです。原田さんがかっこよかったのもありますが、千鶴ちゃんが乙女でかわいかった。押し倒しスチルには驚きましたが(笑)edも幸せそうで一番すきでした。長々乱文スミマセン。これからもがんばってください。
東雲 理緒 2008/10/24(Fri)22:17:46 編集
いらっしゃいませー
>東雲さま

いらっしゃいませー
メッセージありがとうございました!!

私も原田ルートが一番幸せそうで、気に入ってます。
エンディングが何よりも微笑ましいですよね!!
千鶴ちゃんの可愛さにめろきゅんなんで、自分で書いていて一君が羨ましいなぁって、(笑)
これからも、当サイトの左之さんは嘘のつけない正直男まっしぐらなので!是非ともまた遊びにいらしてくださいね~
千尋  【2008/10/25 00:28】
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