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期間限定。薄桜鬼小説ブログ。
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「・・・斉藤、」


昼の巡察時にすれ違ったときよりも随分と声色を低くして呼ばれた名は自分のもののようだ。
相手からみればひどくゆっくりとした動作で振り返る。



「・・左之か、何用だ?」

「分かってんだろ、呼び止めた理由。」


少し苛立ったような様子を見て、少し大げさにため息をついて見せれば左之助は微かに眉をひそめる。



「・・雪村ならば、昼過ぎに目を覚ました。」

「・・・・・・・そうか、」

ただ、その事実を確認したかっただけなのだろう。
もう用はないとばかりに踵を返して俺に背を向ける。




「雪村は、」

「・・・・・。」


その背に向けて再び口を開けば、相手は振り向こうとはしなくても動きを止める。


「お前が居なくて気落ちしていたぞ。」

「・・・見舞いにでも行けって?」

「見舞いに行くか行かないかはお前の勝手だ。ただ、先日の一件に関してお前が責任を感じ、アイツのことを避けているのだったら、それはお前のただの我侭に過ぎない。」


言い切った言葉に反論しようとしたのか左之は勢いよく振り返る。
しかし、叫ぼうとした喉元は僅かに詰まり、静かに息を吐き出した。


「・・・俺の我侭、か・・違いねぇな。」



後悔を含んでいるかのように左之助は苦笑する。
俺は、その顔をみて、これから自分が掛ける言葉は本当に正しいのだろうか、と思い直す。


「・・・・・、左之。」


合わされた視線、
正しいか正しくないかは俺が判断することではない。



「何のためにアイツがあの場に残ったのか、その意味を理解しているのならば、自分の成すべき事は決まっているのだろう?」

「・・・斉藤、お前が後押ししてくれるなんてどういう風の吹き回しだ?」



返された言葉は、普段の左之助らしく軽い口調ではあったが、どこか嬉しそうでもあった。


「・・理由は無い、ただお前らしくないと言っているだけだ。」

「俺らしく、ねぇ・・」


困ったように眉を下げながら、左之助は静かに背を向けて歩き出す。
それを見送りながら、俺も、自分の行動をらしくない、と思う。

 







夜着のまま、千鶴は縁側にぼんやりと座って空を見上げていた。
駆け寄って、冷えるだろうから部屋に入ってろ、といつものように言ってやりたくて、
しかし身体が固まっちまって動けやしねぇ。


あの夜の、血が抜けきっちまったような真っ青な顔と違って随分と赤みが戻り、ホッとする。
ようやく肩の荷が下りたような、名の無い安堵感に包まれる。
しかし、それでも、安易に声をかけることを躊躇って、今まで避けてきた言い訳をどうするか、なんてくだらねぇこと考えて足を止める。


「・・・・・・、」


声を出そうとして、しかし、喉のあたりで詰まってどうにもならない。
千鶴が目を覚ますまで毎日、アイツの姿を探していた。
巡察んときも、飯んときも、稽古の合間に中庭に視線をやっちまうのも、無意識に千鶴が目を覚ましていつものように洗濯だ掃除だと屯所の中を走り回ってんじゃないかっって・・・、

そうして、自分の女々しさにうんざりする。


「・・・千鶴、」

千鶴、ちづる、ち、づる・・、


真っ青な顔して、血に塗れたお前を見て、俺は、今までに無いほどの恐怖を感じた。
長州の連中との斬り合いになったときだって、今まで一度も恐怖なんて感じたことはなかった。

自分の部下の不祥事が、お前をあんな目に遭わせたんだと言う負い目もあった、しかしなによりも、

千鶴を失うかもしれない、それが怖くて、たまらなくて、


情けなかった。



「・・・・千鶴、」


ただ、どんなに情けなくても、
お前に会わない、なんて、そんな選択肢選べるはずがねぇ、



「・・はらだ、さん」






@あとがき

こ、コメントしづらい・・。
とりあえず、やっと左之さんに会えました!!
って言っても千鶴ちゃんはずっと寝ていたので、左之さんが千鶴ちゃんにやっと会えたっていう方が正しいのかなぁ(´v`;)
次回でようやく完結だと、思われます。が、頑張ります!!

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ご無沙汰でございます~><
もう本当に本当にご無沙汰ですっ
何度かお邪魔していたんですが、想像以上に私生活が忙しくて…身内に不幸があり、友人が遠い地へ行ってしまったり、何だかんだと小さなことも積み重なって………。
一つ一つのお話にストーカーばりの足跡を残していくことも出来ませんでした;
でも、しっかり読ませていただいてましたvv

「いつ、左之さん出てくるんだろう…」

と思いながら(笑
前回やっと左之さんの名前が出てくれて「おvvv」なんて頬が緩んじゃいましたが^^
今回はセリフもあり、嬉しかったですvvv

責任を感じてる左之さんの気持ち痛いほど伝わってきますが、早く千鶴ちゃんに左之さんの顔を見せてあげて欲しいーーー><
左之さんが千鶴ちゃんに会えた嬉しさ同様、千鶴ちゃんも左之さんの顔を見たら嬉しいんだからーっ!!なんて叫んでました(笑
次回で完結なんですよね。
ここで左之さんが出てきたということは…なんて期待しまくりですが^^


千尋さん、大学ご卒業おめでとうゴザイマスv
これから新しい世界がもっと広がりますねv

私も短時間ですが外に出て、お仕事してみようと思っています。
もっと自分の世界を広げられたら、と今からワクワクしてます。年齢って関係ないんだなって。

気分も変わればサイトの更新ももう少し早くなるかなーとか…最終的には趣味の世界の為だったりするんですけど///

ではでは。
次回作、楽しみにしてますー


あーーーんど、遅くなりましたが10万打おめでとうございます!!


ではっ
遠村 笑 URL 2009/03/27(Fri)22:28:39 編集
Re:ご無沙汰でございます~><
えー・・コホン。
まずは、一言。

またお会いできて嬉しいです!!(*´◇`*)


わーわーもう、ほんと、お久しぶりです!!
泣きそうなんですけど!!もう、飛びついちゃっていいですか!!(;△;)
お互いに、忙しくてすれ違っていたんですね・・。
寂しかったけれど・・でも、また会えたのでもういいんです(><)

新しくお仕事するのですね!頑張ってくださいね!
何かを新しく始めるときってすごくドキドキするし、緊張したりなれない環境で疲れてしまうことも沢山ありますが、お互い、頑張りましょうね!

私も、私生活が落ち着きましたらまたサイトの方に遊びに行かせて頂きますねv新作がいっぱいあったらいいなーって期待しつつ、左之さんと沖田君を探してゴソゴソと探検しちゃいます(^∀^)あ、無事に卒業できましたvお祝いのお言葉、有難うございます!!10万打の方も、何か御礼の企画が出来たらいーなーって思ってますので、その際はお付き合いよろしくお願いいたします(*^v^*)


囮捜査後日談も、やっとこさ完結できそうです!!
モーニングコールも長かったけれど、このお話もすっごく長かった気がします。。。新作はもっと気が抜けちゃうくらい騒がしいお話にしたいなって思ってます。もう・・左之さんが落ち込んじゃったり千鶴ちゃんが痛い思いするのは・・書いてて辛い・・・。あ、でも、沖田君は相変わらず悪戯っ子ですけど・・(^^;)


ではでは、お会いできて嬉しかったですvv
千尋  【2009/03/28 14:51】
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