「あ、え?平助・・くん?」
「えっと、その、ごめん、なんつーか、もうちょっとだけ・・さ、このままでいてくんない?」
首筋まで真っ赤な平助君に、さっきまで私が感じていた焦ったようなどきどきが伝わってしまったかのようだった。
「・・なんか、あったかいなーとか、柔らかいなーとかはさ、感じてたんだけど・・」
もごもごと、それでもある意味で濁さずに直球で言葉を投げつけてくる。
私は、混乱でどうにかなってしまいそうな頭の中で冷静に、冷静にと何度も呟いた。
「夢の中だとおもってたし・・」
遠慮気味に、でも、どこかまだ目の冷めていないかのような、とろんとした目で平助君が言うから、つい私も、この状況に甘んじてしまう。
ただ、布団の中で、ほんの少しの隙間を残して抱きしめられているだけなのに、それでも、体中が火傷しそうなほど熱くなって、俯いてしまうしかない。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
お互いがお互いに言葉を発することが出来ずに、しばらくそうしていた。
しかし、もぞ、と平助君が動いて、私も必然的に体を動かした。
「・・・ッ、」
息を呑むような声が耳元で聞こえて、それから、何度か深呼吸するかのように呼吸を整える音。
「ち、千鶴・・、あのさ、」
そーっと、そーっと、背中に回った手に力が込められる。
「平助君?」
「・・・・・ごめん!!」
「え?・・きゃっ・・、」
謝罪の言葉と、勢いに任せたかのようにぎゅっと、とにかくぎゅっと力いっぱい抱きしめられたのは同時だった。
「ごめん、悪い、ほんと、すぐに離れるから、あと、ちょっと、ちょっとだけ、」
小刻みに言葉を区切って、それでもどこか必死な様子の平助君に、私は何も反応を返してあげることが出来なかった。だって、私の方だって、必死だったんだもの。
押し付けられるように頬に感じた熱は平助君の胸元で、陽だまりのような匂いと、彼の匂いが混ざって、そうして平助くんが、まるで縋るかのように私の首筋に顔を埋める。
唇が寄せられている、なんて、冷静に考えられるほど、落ち着ける状態じゃなくって。
まるで舌が這っているかのように、熱が首筋からゆっくり鎖骨に降りていって、どうしようもなく意識が遠のく。
「へ、へいすけ、くん・・・」
「っ・・・、」
少し生暖かい感触が、首筋から背筋に伝わって思わず身を震わせる。
吐息が耳に届いて、ぎゅっと目を閉じた。
「千鶴・・・、ちづる、」
まだ夢の中に居るような、彼のそんな熱に浮かされたような声が届いてくるけれど、私には彼を現実に引き戻すほどの余裕がなくて、ただただ身を縮こませて、自分でも分からないほどの熱に耐えるだけ。
「ん・・・、」
「・・・・!!」
鎖骨にまで降りた熱と、脇腹に回っていた腕が動いたことで思わず口から吐息が漏れた。
と、同時に、私の声を聞いて彼の体が一瞬、ビクリと震えた。
それから、ちいさく、ちいさく、ちゅっと首に吸い付くような音がして、彼は今までの行為を巻き戻すかのように勢いよく身体を離した。
「あ、のさ、・・・俺、寝ぼけてたみたいだ!」
「え・・・?」
離れた勢いのまま、立ち上がって、呆然としてねっころがったままの私に視線を向けるでもなく、ばたばたと部屋を横切って襖に手をかける。
「・・・ごめんな!き、昨日の酒が抜けてなかったかなー、頭いてーし、ちょっと水飲んでくる!!」
それから、振り返りもせず、皺だらけの布団もそのままに、彼は逃げるように自分の部屋から走り去った。
「・・・・・・。」
私はと言えば、呆気にとられたまま、彼が逃げるように飛び出した襖を見つめることしか出来なかった。
「やべーよ、あれ。やばすぎ!!」
勢いのまま千鶴から逃げるように部屋を飛び出して、井戸の桶いっぱいに水をくんで、それから思いっきり自分の顔を突っ込んだ。
せめて、この熱すぎてどうにかなってしまいそうな頭を冷やして、それからでないと再びアイツに顔合わせられねー!!
「平助、お前、何しやがったんだよ。」
「っうわ!さ、左之さん!?」
バチンと容赦なく背を叩かれて、水に浸かって冷えた顔を思い切り上げた。
水が跳ねたのか、むっと眉間に皺を寄せるけど、それは左之さんが不意打ちにそれも容赦なく人の背中を叩くからだろ、と声に出せない文句を内心で呟く。
「お前を起こすのに手間取ってんのか千鶴がなかなか来ないから目が覚めちまうし、仕方ねぇから新八起こして飯食いに行けば真っ赤な顔の千鶴がいるだけでお前の姿はなしと来た。」
何もなかったって言う方がおかしいだろ、と左之さんは意地の悪い笑みを浮かべる。
これは、正直、楽しんでいるとしかいえない顔、だよなぁ・・・・。
「べ、別に、ちょっと寝ぼけててさ、なんていうかー・・まぁ、俺がなかなか目を覚まさないから千鶴が困って左之さんたちんとこ行けなかっただけだって!」
特に何もなかった、なーんにもなかった!そう主張すれば、完全に信じていません、って表情を顔いっぱいに作って笑ってる。うわー、うわー、これ絶対、しばらくネタにされる。ぜってー、される!!
自分がさっきまで千鶴にしていた行為を忘れる口実、とまではいかないけれど、それでも左之さんの含み笑いは今後、俺を悩ませるもののひとつになりそうだ。
@あとがき
平助は、寸でのところで踏みとどまった!!(`し´)ノ
こんな科白がテロップで流れそうなほど、理性総動員!平助君はがんばりました(笑)
甘い雰囲気っていうよりも、ただのハプニングで終わってしまった・・・・。
うちのサイトでは、左之さんがエロ担当。総司がセクハラ担当。一君がムッツリ担当。平助君が純情少年担当。新八が健全高校生男児担当。です。千鶴にとってみれば、平助君と新八がギリッギリの安全地帯。ギリギリ、うん、ギリギリ・・ね。
あ、土方さんはお母さんで近藤さんはお父さんなので、ここはもちろん安全。山崎君はお兄さんなので、ここもセーフ。(*^v^*)家族設定ってすごく好きなので、いつかパラレルで書いてみたいネタのひとつです。
そういえば、昨日ipodを買ってきました。
以前までSONYのウォークマンを使用していたのですが、ちょっとご機嫌お悪いようでして・・
で、お財布も寂しいので手ごろなipod shuffleにして、先ほど曲をいくつか入れてみました。
なんか、ちっちゃいからなくしちゃいそうだなぁ・・・・。カラーは赤か黒が良かったけれど、ないんですよね・・。赤はなんか限定カラーでネットとか、アップルとかで購入できるらしいですが、手続きも面倒ですし、別のでいいかなって。いつか買いなおすときは是非とも赤をゲットしたいです(^へ^)
実は「モーニングコール一日目―1」は更新されたその日に読ませていただいてたんですが、高熱でぶっ倒れてたんで、コメント書くことが出来ず…今日に至りました。
やっとこ今日熱も下がって「おたふく」も完治してると医者に言われ、ホクホクとパソに向かってます~v
そしたら「一日目―2」が更新されていて…きゃーvこういう展開ですかーーーvvv
平助くんは確かにギリギリの安全地帯ですね(笑
決して嫌がるようなことはしないだろうし。だから今回も寸でのところで止められたんでしょうしね。新八さんはー…平助くんと同じ展開だったら「のぉぉぉぉぉっ!」とか叫びながら後退して土下座して謝りそう(笑
家族設定も好きですv山南さんは…?どうなんですかね。
小母…?いやいや叔母。
何か作法とか煩く言ってきそうな感じがしたんで…。
次は…新八さんですか?新八さんも読みたいけれど、左之さんが…読みたいっ///
むちゃくちゃ楽しみにしてますっっ
あと、サイトの方へ来てくださってありがとうございます。お見せできるようなものはないんですけど///
では。またお邪魔させていただきますvv
体調回復されて、ホッとしております!!(;□;)
ブログで症状を知ってから、それはもう、心配で心配で。。。
さっそくモーニングコール一日目閲覧くださったのですね!ありがとうございます(*^v^*)新八のそんな初心な反応が好きですv「のぉぉぉぉっ!」って科白に思わずときめいてしまいました///いつか、使わせていただきたいv(笑)
家族設定に山南さんですかー。どうだろう、どこポジションなんですかね、彼。ちょっと口うるさい叔母さん・・、うぅん、、継母、、違いますよね、、うーーーん・・・。(ーへー;)
ま、まぁ、はい、山南さん含め、いつかパロで書きたいなって思ってます。そのときはお付き合いくだされば幸いです!!
ではでは、今後も、左之さんと総司の活躍を楽しんでいってくださいませ!!(なんたって、我が家のエロ担当!(笑))
また遊びに来てくださるの、三つ指ついてお待ちしております!!
うわぁうわぁ~嬉しいです!!
モーニングコール楽しんでいただけているようで、ホッとしております!
現在も後日談を連載中ですので、そちらも楽しんでってくださいね(>∀<)
平助君が異常にカワイイ・・・
その、あわてようが・・・
小説を1ページ丸々友達に読まれてしまい、気分が上がったり下がったりしています・・・
自分では気に入っているんですが・・・(何と言っても知っている話の好きなシーンを好きな用に変えて、つないでいるから・・・)
・・・お話ってどう思いつくんですか?
お返事遅くなってしまって申し訳ありません。
お話、どうやら楽しんで頂けているようで嬉しいです!
お友達に小説を読まれてしまったとありますが、せっかく出来たお話、読んだ感想とか貰ったらきっともっともっと上達しますよ^^
どうやって話を思いつくかは、人によって変わってしまうのでアドバイスしづらいですが・・自分とは価値観の違う友人などに感想を貰うことって大事ですよ。
>(何と言っても知っている話の好きなシーンを好きな用に変えて、つないでいるから・・・)
と、ありますが、薄桜鬼の本編で好きなシーンを変えて、つないでってことでしょうか?ごめんなさい・・ちょっとよくわからなくて質問させていただきました。
そして私は今顔から火が出ております。
あわわわわわ。
すみません、次はマトモなコメントができるように頭を冷やしてきます…。
お、大人向け…
このお話は、そんなに……アレな感じで描いてはいなかったのですが…
えっと、でしたら「逢引き日和」シリーズは…その、若干破廉恥度が高いやも…しれませぬ……
っていうか、は、恥ずかしい……
その、無理せずスッパリ読むのをやめても全然かまいませんよ!
面白そうだな、っていうのだけ楽しんで頂ければ!