「・・・・・。」
「平助君?」
徐々に声色が落ちていく平助を、雪村は心配そうに覗き込む。
「・・怖かった。」
「え、」
「お前が目を覚まさないんじゃないかって・・・、俺、すげー怖かった。」
ぎゅっと自分の掌を握り締める姿に、掛けるべき言葉を失う。
俯いて、表情こそ見えなかったけれど、周りの大人と比べると少し小柄だけれど
それでも私を守ってくれる背はいつも大きい、そんな平助君の背が小刻みに震える。
泣いて、いるのかもしれない。
「千鶴を見つけたとき、地面に真っ赤に血が広がっててさ・・、お前顔真っ青だったし、だから俺、屯所まで必死に走って、医者とか叩き起こして、新八っつぁんに抱えられて帰ってくるはずのお前待ってて、不安で、なんか頭ん中、ぐるぐる回ってて、それで土方さんに落ち着けってどやされて、」
そこで、ぐっと唇を噛み締める。
「でもさ、いくら待っても誰も帰ってこなくてさ、待って、待って、ようやく帰ってきたと思ったら意識ないなんて、マジで死んじまったんじゃないかって・・、その後も、目ぇ覚まさないし、俺・・・・・、っ・・千鶴?」
これ以上、この人に悲痛な言葉を叫ばせてはいけないって、思った。
ごめんなさい、ごめんなさい、私の身勝手な我侭で、こんなにも心配してくれた平助君を傷つけた。
腕を伸ばして、必死に何かに耐える彼を抱きしめた。
一瞬、身体を強張らせた平助君は、けれどゆっくりと力を抜いてぎゅぅっとしがみついてくる。
私は、まだ、生きてるから。
傍にいさせてくれるというのなら、いつまでだってみんなの傍にいるから、
「心配かけて、ごめんなさい。心配してくれて、ありがとう。」
それしか言えない私を許して、
「・・、お前は、自分が思っている以上に必要とされている。」
「斉藤、さん。」
私にしがみついて離れない平助君の頭を撫でながら、頭上からかかった声に面を上げる。
そうして、優しい瞳とぶつかる。
微笑んでいるわけではなかった。けれど、優しい声色で、欲しい言葉をくれる。
「平助も、新八も、総司も、毎日時間を見つけてはここに通いつめていた。」
「・・・永倉さんも、沖田さんも・・、」
「お前は俺たちに・・・仲間として近づきたいと、最後まで見届けたいと言い張ってあの場に残った。それはおまえ自身が決めたことだ。それを誉めることも責めることもしない。しかし、お前が傷ついたことで、心を痛めるものがいる。」
「・・・はい、」
斉藤さんの言葉は、大きすぎる。
まるで、お前はもうすでに、皆に仲間と思ってもらえている、って言ってくれているようで、誤解してうぬぼれてしまいそうになるほど・・私には大きすぎる言葉だった。
「・・・平助君。」
「・・・・・・。」
「・・・・・平助、君?」
先ほどから反応のない彼に声をかける。
少し、息を詰める気配があって、それからゆっくりと顔を上げる。
「・・・千鶴、次、今回みたいな無茶したら、俺、お前のこと許さねーから!」
「え?」
「新八っつぁんと相談したんだ!千鶴が無茶しないように、俺らでしっかりと見張っておこうってな!!」
「え?え?見張る?」
慌てて、聞き返せば、彼はにっこりと満面の笑みを浮かべる。
「そそ、千鶴は安心して俺らのそばにいていーからな!しばらく巡察は俺と新八っつぁんの組についてくること!でもってー「ちょっと待ってよ、それって納得できないんだけど。」
勢いのまま、相談した計画とやらをつらつら並べる平助君に、待った、の声をかけたのは私ではありません。
@あとがき
な、なんだかようやく雰囲気がいつものノリになってきました(´◇`;)
平助君はひっつき虫。でも、ついぎゅーってさせたくなる。アンケートの意味がなくなっちゃうーっっ
あ、えぇと、アンケートの〆切は13日の23時までです!!
現在、総司が堂々の1位を独走中!!続いて一君と平助君が追いかけてるって感じです!
左之さんが意外にも下位で、驚いていたり複雑だったりしますが、結果はまだ分からないので楽しみです!!(*^∀^*)みなさま、ご協力ほんとーにありがとうございます!!
えへへ、アンケートって初めてやりますが、なんだか嬉しいですねv
明日は、早朝5時30分に家を出て、個展の搬入に行って参ります!
なーんでそんなに朝早いかって言うと、会場がカフェっていうのもありますので開店時間よりも前に会場設置をしなくてはならないのと、会場設置は、とんかちでガンガンやるので、近隣のお店の開店前に終わらせねばならぬからです。。。頑張ってきます!!
握りこぶしで「見張っておこう!」ってな感じですかね(笑
あーいつもどおりの平助くんだーv
一くんも一くんらしい言葉で千鶴ちゃんに気持ちを伝えてるし。
「平助も、新八も、総司も、毎日時間を見つけてはここに通いつめていた。(もちろん俺もだが)」
「しかし、お前が傷ついたことで、心を痛めるものがいる。(もちろん俺も含まれている)」
()内の言葉は本当に小さく小さく一くんが呟いてるといいなぁって妄想です。ごめんなさい><
最後のセリフは沖田くん、ですよね?
そうかー。ここに沖田くんが出てくるんだー。
また何かあるのかしら…期待に胸を膨らませ、次回を楽しみにしてますっ
個展の準備は大変そうですね。
それもメチャクチャ早い時間に…。空気が美味しい時間帯なので、結構早朝は好きなんですけど…そんなこと考えてる余裕ないですよね…だって寒いんだもん><
イベントに行くときはどんない寒くても耐えられるんですけど、ほかの事で出かけるときは寒さに耐えられないです~~~っ
頑張ってくださいねv
あと、アンケート…結果をちらっと拝見しましてー…えーとー…軽くショックです(笑
でも、今までの流れからいっても沖田くんはtopかなーと思ってたんで、その辺は納得。でもねー…左之さんがさー……………時間が止まりましたから(笑
「うっそ」
でた言葉はこれでした(笑
もう、沖田くんでラブラブ、思いっきりラブラブなお話書いてくださいYO☆
決して自暴自棄になっているわけではないです。
囮捜査後日談で、左之さんといい感じになってくれることを願ってますから…えぇ、いいんです。ほかのところで左之v千が読めれば…
大逆転、なんて無理なんでしょうね…グスッ
も、もはや土下座ものですよね(;□;)
もーしわけありません!!!いや、忙しかったなどと言い訳を並べるつもりはないです!!本当に、ごめんなさいっっ!!!
遅くなってしまいましたが・・返信させていただきました!
囮捜査の後日談、ようやくノリが普段のわいわいとした雰囲気に戻りつつあって、私自身ホッとしておりますー。
いやいや、左之さんのことを忘れたわけじゃないのですが、でもでも、平助君とか沖田君とかのノリは和みますよね!っていうか、笑さんの一君の内心を綴った()に思わず大爆笑してしまいました!!
いやいや、うん、きっと、一君は心の中で呟いていたに違いない!!
あんまり自分の感情を表立って言葉にしない彼ですが、心の中ではちゃんと自分の気持ちを持っているのではないかなーなんて思うので、素敵な妄想ごちそうさまです!!(*^∀^*)
あ、そうですそうです、沖田君!
彼の登場シーンで更新が止まっちゃってるんですよね。。。
あんまり期待はなさらないでくださいね、いつものノリですから。
お馬鹿な感じのいつもの・・・(^^;)
個展の準備に関しても、お言葉頂けて嬉しかったです!!
有難うございます(●^v^●)
ほぼ始発っていう時間だったので、お外真っ暗で、寒くて、眠くて、朝からフラフラだったのですが・・確かに、イベントの時は結構平気だから不思議ですよねー・・なんだろう、イベント時のパワーを自分はどこからひねり出しているのだろうか。。
アンケートの結果は、はい、もうすぐ最終結果発表するのですが、左之さんはー・・・えっと、そうですね・・、大逆転は・・ないかなー・・って。
ブログのお話の中で左之さん贔屓は自分でも目に余るなーなんて思ってるぐらいなのに、意外にも、お相手としてあんまり望まれていないのかなぁ、とちょっとションボリなのですが・・・、はい、多分、アンケートの結果に多少左右されつつも、左之さん贔屓はかわらないと思いますよ!!
後日談でラブラブにしちゃうYO!!な、勢いです!(笑